K・Y(危険・予知)活動
「ここからが重要な所なんだけど、
この国に生まれたダンジョンは地脈からの魔素を吸い上げて、
地上へと上がって行った時に、入り口になる部分に封印石っていう
封印の魔法を付与した魔石の蓋が、分厚く蔽い被さっていたのよ、
当然、僅かながらも放出される予定だった魔素も表に出られなくなるわよね、
そうなると、出られなかった魔素は如何なると思う?」
「オーディエンスを使う?」
ポラリは、再びコインへと問題を問い掛けて来た。
「え~と、外に出られないんだから・・・
やっぱり、そのまま中に溜って行くんじゃ無いのかな?」
「ファイナル・アンサー?」
「今、ここで降りれば30万ギルが入りますよ?」
「え?ええ、ファイナル・アンサーで良いです。」
「カッチカッチカッチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・正解!」
「見事50万ギルの獲得です。」
「随分と溜めましたね」
「コイン君が言った様に、入り口を塞がれたダンジョンの魔素は、
中に溜って、どんどんと凝縮されて行ってしまい、
最終的には、地表に近い部分でも最下層に近い辺りに出て来そうな、
強力な魔獣がゴロゴロと出て来るそうよ」
「力がある冒険者には美味しい状況」
「それは、怖いですね」
「ええ、封印の必要が無くなったんで、魔石を再利用する為に、
ダンジョンの入り口を塞いでいた封印石が剥がされて、
その、ダンジョンが発見された当初、
この国の冒険者ギルドの中では、腕利きのパーティーが何組か合同で、
ダンジョンの調査を行ったんだけど、
重傷を負ったB級冒険者が、ただ一人生きて帰って来ただけだったそうよ・・・」
「多くの犠牲者が出た。」
「あぁ・・・そう言えば、この国には大して強い魔獣が居ないって聞きましたね」
「そう、この国の冒険者の主な仕事は護衛クエストになるし、
コイン君が今、言った様に、それ程強い魔獣も出ないから、
腕利きって言っても、精々がB級パーティーしか居ないのよ」
「A級以上は、もっと稼げる仕事を求めて他国へ行く」
「なる程、それは運が悪かったとしか言い様が無いですね」
「そこで、私達のA級パーティーに、お声が掛かったって訳ね、
この国の、お偉いさんにパサラの親戚が就任しててね、
パサラのお兄様に、腕利きの冒険者を紹介してくれないかとの連絡があって、
お兄様や奥様方と、ウチの両親が話し合って、
今現在、動ける冒険者の中では、最強の私達が派遣されて来たって事よ」
「新たなる最強伝説の幕開け」
「へ~、そうなんですか・・・でも、
ポラリさん達がこの国へと、やって来た事情は分かりましたが、
それで、何で僕が加入する必要性があるんですか?
どう考えても、初心者の僕では御二人の足手纏いにしか、
ならないと思うんですけど・・・」
「それが、大ありなのよ!
コイン君が、他の国で冒険者になるんだったら全然構わなかったんだけれども、
魔法学院を抱える、ここ、ラメール魔法国に置いて、
特殊なユニーク・スキルである『コイン・ブースト』を持つ
コイン君が冒険者に成るとすると、
後々、私達のダンジョン攻略に多大な影響を及ぼす可能性が出て来るわ」
「K・Y活動は大事」
「この国と、僕のユニーク・スキルが、
御二人のダンジョン攻略に影響を与えるんですか?」