表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/238

先付け派・後付け派

「そんじゃ、コイン君が解体を手伝ってくれたお蔭で、

お肉も早く捌けた事だし、さっさと焼いて昼食としましょうか」

「私はタレの付け焼きが良い」

ポラリらが狩って来た獲物を解体して、

毛皮と、食用では無い素材を魔導リュックに収納してから、

食肉やモツを、食べ易い大きさへとカットし終えたので、

ようやく昼食の時間との運びになった。


「僕の魔導リュックにパンが入ってるんですけど、

御二人とも召し上がりますか?」


「ああ、私はらおうかな、

パサラは如何どうする?」


「私はオニギリを食べる」


「えっ!?オニギリって事は、お米があるんですか?」


「ああ、ザドス王国の『ハバラの街』って所が大稲作地帯でね、

そこから世界中へと輸出されてるんだよ」

「『ドボルニシキ』が美味しい」


「あの~、よろしかったら僕にも御握りを分けて頂けますでしょうか?」


「ああ、オニギリだったら魔導リュックの中に、

沢山入ってるから全然構わないけど、

何、コイン君はゴハン派なのかい?」

「私は、断然ゴハン派」


「え、ええ、パンより御飯の方が好きなんですけど、

この世界には、パンしか無いと思い込んでたんで諦めてたんですよ」


「今の言い方だと、まるでコイン君は他の世界から来た人みたいな言い方だね」

「同感」


「い、いえ!言い間違いました!

この『世界』では無くて、この『国』です国!」


「ふ~ん、まあ良いや、

はい、コイン君が御所望のオニギリだよ」

ポラリが、自分の魔導リュックから、

大きな笹っポイ葉に3個包まれたオニギリを取り出すと、

コインへと手渡した。


「ありがとう御座います。御馳走になります。

僕のパンもご自由にお取りくださいね」

コインは、ポラリから御握りの包みを受け取るとテーブルの上へと置き、

自らも、魔導リュックから幾つかのパンが乗ったカゴを取り出すと、

テーブルの上へと乗せた。


「そんじゃ、肉の方を焼き始めるかね、

そうだ、コイン君は野菜は火を通さないと食べられないタイプの人かい?」

「タマネギとカボチャは焼いた方が甘い」


「いえ、生野菜も普通に食べられますよ」


「じゃ、野菜の方は生野菜サラダで良いか」

「私はマヨを所望する」


「え?パサラさん、マヨってマヨネーズの事ですか?」


「そう、私は、ちょっぴり辛いカラシ・マヨが好き」


「へ~、マヨネーズも、ちゃんとあるんですね、

マヨネーズがあるなら生野菜も食べ易いですね」


「コイン君、今の君の言い方だと、

マヨネーズの存在自体は知ってるけど、

この世界には無いと考えてたように聞こえるね」

「確かに」


「い、いえ!これも、この『国』には無いと思ってたんで出た言葉です。」


「ふ~ん、そうなんだ・・・まあ、良いや、

肉はタレを付けてから焼くかい?

それとも、焼いてからタレを付けて食べる様にする?」

「甘口、辛口とある」


「あ、辛口を、焼いてから付けて頂きます。」


「そんじゃ、私もコイン君と同じく、焼いてから付ける派だから、

付け焼きはパサラの分だけで良いね」

「あの、少し焦げた苦みの味わいを理解出来ないとは・・・」


「はい、僕も肉を焼くのも手伝います。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ