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世界最強の一族

「それでなんだが、ジョゼッペ爺さんの『魅了』魔法を

コインのスキルで増幅するのは良いとして、

なるべくコインのユニークスキルの事は世間に内緒にして置きたいから、

今回は、パサラの暗黒魔導にて爺さんのスキルを強化するって事にするんで、

コインは、パサラがソレっぽい呪文を唱えるのに合わせて、

他の連中には気付かれない様に『ブースト』を掛けてくれるか?」


「それは良いんですけど、ジョゼッペさん本人には、

自分が持ってる能力はスキルじゃなくて魔法だって伝えなくても良いんですか?」


「ああ、伝えない方が良いだろうね、

一応、魔獣や獣人族とのハーフにしか効かない魔法の様だけれども、

精神を操る系の魔法ってのは世間一般からすると嫌われてるからね、

本人も知らないで居る方が幸せな老後を送れるってもんさ・・・」


「確かに、冒険者の間で伝説って囁かれていた人物が、

精神系の魔法使いだったって知られたら、

その積み重ねた評価が地に落ちる危険性があるっすね」


「なる程・・・確かに、それはサナエさんが言う通りかも知れないですね、

分かりました。僕もジョゼッペさん本人には、

この事実を告げないって事に賛成します。

あと、もう一つ気になったのは、僕のスキルを秘密にして頂けるのは

非常に助かるんですけど、

パサラさんが、他人のスキルを魔法で強化できるって思い込まれるのは

僕と同様に危ないんじゃ無いんですか?」


「ああ、あの子に関しちゃ大丈夫だよ、

本人がA級冒険者だって肩書持ち出し、

家族関係者まで含めて考えれば世界最強クラスの面々が揃ってるからね、

あの子に手を出すって事は、自分は愚か、

自分の関係者を含めた全員の人生が終わる危険性があるって事だからね、

誰も好き好んで、そんな危ない橋を渡ろうとするやからなんて現れやしないさ」


「なる程、立ち位置からして僕とは全然違うって事ですね。」

「アタイも、パサラのあねさんだけは怒らせない様に気を付けるっす。」


「じゃ、そんな訳だから、

今から皆で、一芝居打って来るよ?」


「はい、分かりました。」

「了解っす!」



仲間内での打ち合わせを終えたコインら一行は、

街の代表者らとジョゼッペが待つ場所へと戻ると、

先程、打ち合わせて作り出したストーリーを伝えた。


「おお~っ!まさか、その様な魔法を御持ちとは、

流石はA級冒険者へ名を連ねられていらっしゃるだけありますな!」

「ああ!初めて聞く凄い魔法だな!」

「うむ!他人のスキルを強化出来るとは驚きだ!」

「その様な魔法使いが仲間に居たら最高だな!」

「ワシも長い事、冒険者として過ごして来たが、

それ程に素晴らしい魔法が存在したとは知らなかったのう」


「ええ、この魔法は、私達の冒険者パーティーの仲間である

この子パサラが、自らが持つ黒魔法を極めて、

暗黒魔導へと昇華して初めて発現した魔法ですから、

恐らく他には使える術者は存在しないでしょうね・・・」

「えっへん」

「暗黒魔導には、一つの魔法で街を滅ぼす程の威力を持った

危険な物もあるらしいですからね」

「うん、うっかり秘密を洩らしたりしたら

街ごと搔き消される危険があるかも知れないっすね!」

コイン達は、会話の中に秘密保持の脅し文句も織り込んで

皆へと伝えた。


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