目と鼻と口の数は一緒だよね?
「ワシに何か用か?」
2本足で直立している出来の悪いキグルミの
人物が、そう声を発する
「ああ、ジョゼッペ爺さん、
スキルを解いて貰わないと、
僕らには、声は聞こえど姿は見えずだから、
解除して貰えないかな?」
「うん、相変わらず凄いスキルだよね、
全然、爺さんが何処に居るのか分かんないや」
「ああ、声のする方向に居るっていうのは
僕らにも見当付くんだがな・・・」
「まあ、ジョゼ爺ィは伝説って呼ばれた
凄腕テーマーだからな」
不細工なキグルミと、街の代表者4人組とのやりとりは、
コインらからすると、コントにしか見えなかった。
「うむ、それではスキルを解くかのう」
キグルミの人物は、そう宣言をすると
両手でキグルミの頭を掴んでスポッと持ち上げる
「おお~、そこに居たのかジョゼ爺ィ
やっと居場所が分かったよ」
「ハハハ、ホントに何時も突然
その場所に現れるって感じだよな」
「ああ、分かっているのに、
毎回、ドキッとしちゃうよ」
「ジョゼ爺ィは正に生ける伝説だな」
「して、ワシに何用じゃ」
「うん、それなんだけどさ、
ジョゼ爺ィに面倒を見て貰ってた小鹿たちの事なんだけど、
どうやら飼育して置く必要が無かったみたいなんだ」
「ついさっき、僕達が騙されていた事が判明してね・・・」
「それで、小鹿たちを解放して、
親鹿たちに返す事にしたんだ。」
「ジョゼ爺ィに飼育をお願いしといて悪いんだけど、
解放する手伝いをしてくれるかな?」
「なんじゃ、そうなのか、
うむ、ワシのスキルで小鹿らが落ち着いて生活を
しているとはいえ、
親鹿らと暮らした方が小鹿らが幸せなのは確か
じゃからな・・・分かった
解放の手伝いをしても良いぞい」
「どうやら、話は付いた様だね」
街の代表者らの会話を傍で聞いていたポラリが、
話の進みを見計らって、そう声を掛ける
「うん?この街では見ない顔じゃが、
お前さん方は何方さんかのう?」
「ジョゼッペ爺さん、この人たちは、
街の外に集まっている親鹿たちを何とかして
貰おうと思って、僕らが依頼をした
偶々この街を訪れていらしたA級冒険者パーティーの
皆さんだよ」
「まあ、そういう事さ、
私がリーダーのパサラだよ、宜しくね」
「ポラリ」
「アタイはサナエっす。
元冒険者で伝説のテーマーで在らせられる
ジョゼッペさんにお会いする事が出来て光栄っす!」
「僕はコインです。宜しくお願いします。」
「うむ、こんにちは私がア〇ン・ドロンです。
あっ違うか!ウヒャヒャヒャヒャ」
「何でアラン・ド〇ン知ってんねん!」
「コイン、アラ〇・ドロンってのは誰なんっすか?」
「僕のオリジナルが居る世界の昔の俳優さんで、
世界的に人気を博したハンサムだったんですよ、
ジョゼッペさんが転生者とかじゃ無かったら、
誰か他の、地球からの転移者とか転生者とかが
教えたんでしょうね、
でも、この手のギャグを好んで使うコメディアンの
人が日本に居たから、
その人物は日本人の可能性が高いですね・・・」
「ほう、少年はアラン・ド〇ンを知って居るのか?」
「え?ええ、前に地球からの転移者の人に
聞いた事があるんで・・・」
「ほう、そうなのか、
では、その世界で地球規模の人気を博したという
伝説のコメディアン『ジュンジ・タ〇ダ』の事は
存じて居るか?」
「知ってますけど、
高田純〇さんのネームバリューは、
めちゃめちゃ地域限定ですよ?」




