(超低級)の呪い
新年、明けまして おめでとう御座います。<(_ _)>
「草原狼を仕留めてる首の傷口の形状からして、
コイン君は見た目通りに、その腰の剣で戦う剣士タイプなのかな?」
「魔力も、そこそこに持ってる感じはする」
ポラリが、川に沈めて血抜きをしている草原狼の死体を見ながら、
コインに、そう尋ねる
「ええ、今の所は剣を使った攻撃を主としていますね、
魔法も攻撃に使えないまでも、パサラさんみたいに『奪血』とかが、
使える様になれば便利で嬉しいんですけどね・・・」
「ほう、コイン君は黒魔法が使えるのか?」
「黒魔法使いには天才が多い」
「ええ、一応は全属性魔法ってスキル持ちなんで、黒魔法も使えると思います。」
「全属性魔法スキル持ちだって!?そりゃ凄いじゃない!
そんなスキル、大昔の勇者イチロー以外では初めて持ってるって聞いたよ」
「むぅ・・・私は黒魔法の上位の『暗黒魔導スキル』持ちだから負けて無い」
「いえいえ、それが全っ然!凄く無いんですよ」
「いやいや、そんなに謙遜するもんじゃ無いわよ、
でも、私達だから良いけど、そのスキルを持ってる事は秘密にした方が良いわよ、
そんなレア・スキルを持ってるなんて他に知られたら、
どんな手段を用いても仲間に引き入れようとされるからね」
「私達も沢山、撃退した。」
「そういう人達も、僕の魔法の実情を知ったら気が変わると思いますよ、
何しろ、全属性魔法の後ろに(超低級)って付いていますからね・・・」
「何それ?パサラは魔法スキルの後に(超低級)なんてのが、
付いてる人なんて聞いた事がある?」
「初耳、極稀に(低級)って付いてる事がある人が、
居るというのは聞いた事がある」
「僕の魔法スキルも、せめて(低級)ぐらいなら、
何かしらかに使えたかも知れないんですけどね・・・」
「(超低級)ってのは、そんなに使えないもんなのかい?」
「通常、所持している魔法スキルはレベルと共に威力が増してくけど、
(低級)が付いてる人はレベルが上がっても、
そんなに威力が増さないと聞いている」
「ええ、ポラリさん、ハッキリ言って普通の人が使う生活魔法の方が、
実用性・威力共に使えると思いますよ、
それからパサラさん、『レベルが上がれば使える様になるかも』っていう
僕の希望を見事に打ち砕いてくれましたね・・・
それはそれとして、パサラさんって口数が少ない印象だったんですけど、
意外と、話す時は話すんですね」
「ああ、パサラは話題が魔法の話となると普通に会話に加わるんだよ、
その他の話題の時は最低限の発言しかしないけどね」
「発言は簡潔に、分かり易くが良い」
「そうなんですか、まあ、確かに自分が好きな分野の話は進みますもんね、
はぁ・・・しかし、僕の魔法が成長して化けるかもっていう可能性は、
これで、断たれてしまったか・・・」
「でも全然、成長しないって訳でも無いんでしょ?
パサラも『そんなに増さない』って言ってた事だし」
「現時点では、どの位の威力?」
「そうですね、魔法が専門のパサラさんに見て頂けば、
何かしら、僕の魔法スキルを成長させる為のヒントが、
見つかるかも知れませんからね、
では、お二人に、僕の魔法を見て頂く事としますね」
本年も、よろしく お願い申し上げます。(^o^)/




