ギャンブル沼
「しっかし、ナンカイイカン鹿?の捕獲は
とても難しいって小耳に挟んだんだけど、
あんたら良く、そんな腕の良い冒険者を手配出来たね?
こう言っちゃなんだけど、余り強い魔獣が居ない、
この国じゃ大した稼ぎにはならないみたいだから、
ナンカイイカン鹿?みたいな逃げに特化した
魔獣の子供らを沢山確保するには難しいと
思うんだけどね・・・」
ポラリが告げる
「ああ、確かに、
この国に所属する冒険者では難しかっただろうね」
「そこは、ただ単にカッコイイだけでは無く
強運も味方する僕達の事だ」
「偶々、この国に用事があって訪れていらした
他国のS級冒険者の方達と、お会いする機会があってね」
「僕らのヘソクリを全て叩いた大枚を用意して
何とか引き受けて頂いたのさ」
「他国のS級だって?」
「微妙に嫌な予感」
「Sなんて滅多やたらには居ないっすもんね」
「ポラリさん、一応、どんな方達だったのかを
聞いてみた方が良いんじゃ無いですか?」
「ああ、そうだね、
あんたら、ちょっと聞きたいんだけど、
そのS級冒険者達ってのは、
どんな感じの人らだったんだい?」
「僕らが依頼した冒険者の方達かい?
冒険者ギルドを通さない依頼だったので、
ギルド証は見せて貰ったんだけど名前は
教えて貰えなかったんだよね」
「でも、所属している国に関しては
一応、教えてくれたよな」
「ああ、ドワーフの女性がマッスル王国で、
虎獣人の女性はコウガ王国って確か言ってたな」
「うむ、それで間違い無いと思うぞ」
「パサラ・・・」
「うん、リーナ姉ェとジュリーさんっぽい」
「やっぱ姉さん方の知り合いの
方々らしいんっすか?」
「あの~、その冒険者の人達って、
他には何か言ってなかったんですか?
例えば、どんな用事があって、
この国を訪れたとか・・・」
「確か・・・この国の上層部にいる御方の元に
親書を届けに来たとか言って無かったかな?」
「ああ!言ってた言ってた!」
「それで、この仕事が終わったらルクシア共和国にある
オンセン?とやらがある町に向かうとか言ってたよな?」
「うむ、オンセンとやらが何なのか、
やたらと気になったのを覚えているな」
「はぁ・・・こりゃあホボ間違いないね、
一体全体、何してるんだろうねアノ方々は・・・」
「うん、ライ兄ィとサスケ陛下に
灸を据えて貰う必要がある」
「姉さん方の関係者でS級って言ったら
相当な金を持ってるんだと思うんっすけどね、
何で、こんな依頼を受けたんっすかね?」
「その冒険者の方々ですが、
何で、あなた方の依頼を受けたのかとかは
話されてましたか?」
「ああ、確か、コウガ王国から
この国へと向かう旅路の途中で立ち寄った街に
大きなカジノがあって、
そこで旅費を全部、摩ったとか言ってたよな?」
「ああ確か、そう言ってたな」
「今度こそ、この依頼料を注ぎ込んで
負けた分を取り返すとか言ってたぞ」
「ハッキリ言って、お二方とも
ギャンブルの才能は無さそうだったよな」
「はぁ・・・寄りにも寄って何たる理由」
「二人とも特大の雷が必要」
「得てして賭け事みたいなもんってのは、
才能が無い人に限って
のめり込んだりするんっすよね・・・」
「早急に本国に連絡を取って、
対応とかをして貰った方が良いと思いますよ」




