アンタッチャブルズ
緊急事態宣言解除後のハードワークが依然続いて居りまして
暫くの間は更新が不定期になってしまいます。<(_ _)>
「そうだね、どっち道あの街が
今日の私らの目的地だったんだし、
街に行って事情を聞いてみるのが
一番手っ取り早そうだね・・・」
「同感」
「ナンカイイカン鹿?たちに、
子供を取り返してやりたいっすね」
コインの言葉を聞いたポラリらが同意を示した。
「ありがとう御座います。皆さん
それじゃ、ファー
これから僕達が街に行って色々と事情を聞き込んで来るから、
それまで、鹿たちには、
街から少し離れた場所で待機をして貰える様に
伝えてくれるかな?」
『キュッ!
キュキュ~キュキュキュキュ?』
「えっ?ファーも、
鹿たちを落ち着かせて置く為に一緒に待ってても良いかって?
ファーが、こう言ってるんですけど
如何ですかね?ポラリさん」
「ああ、ファーが、そう言ってくれてるなら、
そうして貰った方が良いんじゃ無いのかねぇ
集団で居れば大丈夫だとは思うけど、
肉食の魔獣なんかが出た際に、
ファーが居れば大概の敵は撃退出来るだろうからね」
「そうですね、分かりました。
そんじゃ、ファー
僕達が戻って来るまでの間、鹿たちを守ってくれてるかな?」
『キュッ!』
ファーは一声、コインへ返事を返すと
少し離れた場所で、心配そうな様子で身を寄せ合いながら
こちらの様子を窺っていた鹿らの方へと向かい歩いて行った。
暫く、コインらが様子を見守っていると、
どうやら、ファーが鹿たちの説得に成功をした様で、
一緒に連れだって、
街の防護壁から5~60メートル程離れたのが見えた。
「どうやら、ファーが説得に成功した様だね、
そんじゃ、次は私らが問題を解決出来るか
街の中に入れて貰って調べて見る様かね」
「賛成」
「そうっすね、もし下らない理由で子供達を攫ったんなら
アタイが、ぶっ飛ばしてやるっすよ!」
「ええ、明るい内にケリを付けないと
外のファー達にも危険が及ぶかも知れませんから、
急いで門の中に入れて貰って調べましょう。
そんじゃ、ファー、僕達は行って来るからな!」
コインが、右手を高く上げて振りながら
ファーに向けて大きな声で、そう告げると
一行は町の出入り口である大きな門へと向った。
ドン!ドン!ドン!と強く門を叩いた後に、
サナエが大きな声で、門の中へと声を掛ける
「お~い!誰か居ないっすか~!
アタイらを、街の中に入れて欲しいんっすけど~!」
すると、門に目線の高さぐらいで嵌め込んであった
高さ5センチ、幅20センチぐらいの木片が
スポッと引き抜かれて、
門の向こう側から覗き込んだ男が声を掛けて来た。
「お、おい!お前達、
如何やって、この門の前まで来たんだ?
今、この街は、鹿の魔獣共に包囲されているから、
誰も近付いては来れない筈なんだが・・・」
「如何やってって、普通に歩いて来たよ、
どうやら、あの鹿の魔獣たちは、
街の住人以外には興味が無い様でね、
他から、やって来た私らには見向きもしなかったよ」
門の向こう側に居る人物よりの質問に対して
ポラリが、ファーの事を暈した形で返答を返す。
「ヤツらが、見向きもしなかったって?
そんな訳は無いぞ!
現に、ヤツらは、この街へと向かって来た商隊なんかを、
片っ端から追い返してやがるんだからな!」
「そうなのかい?
それじゃ多分、野生の勘とかいうヤツで、
私らの強さを感じ取って、近付か無かったんじゃないのかね~」
ポラリは、そう告げながら
自らの懐から冒険者カードを抜き出すと
覘き穴から見える高さへと差し出した。
「うん?何だ?お前の冒険者カードか?・・・・・A級だと!?」
「ああ、私らはA級冒険者パーティーの『殲滅の乙女団』だよ、
これで、鹿たちが私らに近付いて来なかった理由が分かっただろ?
分かったら、さっさと門を開けて、
私らを街の中へと入れてくれないかねぇ」
「あと5秒で開けないと爆破する」
「パサラさん、5秒ぽっちじゃ
門の閂を抜いてる間も無いですよ」
「アタイらは、今チョ~急いでるんっすから、
とっとと開けて中に入れて欲しいっすよね」




