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黒魔法

「それは、そうとして、この川に沈めて血抜きしている獲物らは、

君が仕留めたもんかい?」


「はい全部、僕が今日ここに来るまでに仕留めた魔獣らですけど・・・?」


「へ~、まだ冒険者登録はしていないって話だったけど、

この数といい、仕留めた手際といい、なかなかの腕前の様だね」

「的確に急所を一発で決めている」


「ちょっと死体を見ただけで、そんな事まで分かるんですか!?」


「ああ、こう見えても私達はA級パーティーだからね」

「獲物の皮に付ける傷は最小限が常識」


「A級とは凄いですね!

ポラリさん達は何人パーティーを組まれて居られるんですか?」

コインは、チキチキ村のケンケン村長から冒険者についても、

ある程度のレクチャーを受けていたので、

ポラリとパサラの年齢でA級パーティーに所属しているのは、

かなりの破格であると知っていた。


「うん?私らのパーティーは、私とパサラの2人だけだよ」

「少数精鋭」


「ええっ!?たった、お二人だけなのにA級なんですか!?」


「ああ、私の両親も、パサラのお兄さん達もS級パーティーだったからね、

私らは子供の頃から、冒険者としての英才教育を受けて来たって訳さ・・・」

「門前の小僧習わぬ経を読む」


「知り合いから、S級まで到達するのは、

冒険者の中でも、ほんの一握りとお聞きしていましたが、

お二人の御家族が両方共とは凄いですね」


「まあ、ほんの一握りだからこそ、

緊急の指名クエストなんかで知り合う機会が多いってのもあるけどね」

「大きな問題が起きた時は、まず召集される」


「なる程、言われて見れば、そうかも知れませんね」


「まあ、そう言う事だね、

それはそうと、私らも狩って来た獲物を、

ここでさばいて昼食にしたいんだけど良いかい?

お礼にコイン君にも御馳走するけど・・・」

「新鮮な獲物を焼いて食べるのは格別」


「ええ勿論、僕は構いませんよ、

何てったって川は皆のものですからね」


「そうかい、そんじゃ私らも、さっさと解体するとするかね、

・・・よし、パサラ頼むよ」

ポラリは、背中に背負っていた魔導リュックを岩の上に下ろし、

その中から、六本足猪の死体を取り出すと首に解体用のナイフで傷を入れてから、

両足を掴んでパサラの方へ向けて差し出した。


「了解『奪血だっけつ』」

パサラが、腰帯に差していた黒い杖を右手に持ち魔法の呪文らしきものを唱えると、

ポラリが付けた六本足猪の首の傷から血が噴き出して来て空中で玉になり、

杖の動きに合わせて、コインが川に沈めた獲物から離れた場所まで行ってから、

パシャン!と川に入り消え去った。


「獲物の血抜きが出来る魔法なんてあるんですか!?」


「ああ、パサラが得意な黒魔法の一つなんだけど、

本来の使い方は、戦闘中の敵に使って体に付いた傷から血を抜いて、

相手を弱らせたりするもんなんだけど、

私らの場合は、殆どの戦闘は瞬殺なんで本来の使い方をする機会が無いんだよね」

「敵対したら最後」


「そ、それは凄いですね・・・」

コインは絶対に、この2人とは敵対しない様にしようと心に決めた。

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