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実験

「さて、それでは、コインが欲しいと言う

スプリング・スライムの素材を使った

ヒモ状の物を作ってみるぞい」

博士は、そう皆に告げると、

実験台の上にツルツルとした表面の

木製の板を置いて、

その上に、スプリング・スライムの素材を

加工したという溶液をス~ッと細長く垂らした。


「へ~、確かに加工後の物は、

あの、凄まじい臭いが殆どしなくなるんだね・・・」

「ホント驚き」

スプリング・スライムの加工前の素材が放つ

凶悪な臭いを知るポラリとパサラの両名が、

感心した様子で告げる


「確かに、あねさん方が仰る様に、

余り臭いがして無いっすね」

「そうですね、発射台に使われていた

あの、加工後の品物みたいに、

近くで匂いを嗅ぐと、僅かに泥臭い感じがする

程度の様ですね」

ポラリらに続き、少し顔を近づけて

溶液の臭いを嗅いでみたサナエとコインが

同意の言葉を放った。


「うむ、この時点で既に完成品と同程度には

臭いが抑えられて居るのじゃ、

さて、それでは、

この溶液に『ニガニガ草』から抽出した溶液を

加えてみるぞい」

博士は、そう皆に告げると、

先程の溶液が入った容器と同じ様な、

科学の実験などで使われるフラスコの様な

形状の容器に入った深緑色をした液体を、

先程の木板の上に垂らした溶液の上に

重ねる様にして垂らして行った。


「おっ!何か色が変化したね」

「面白い」

「アタイ、こういうの見るの好きなんっすよ」

「普通に考えると緑系の色に成りそうなものなのに

何か面白いですよね」

コインらが言う様に、

木板の上に垂らしたスプリング・スライムの

僅かに黄色味を帯びた液体の上に垂らされた

深緑色の液体が混ざると、

何故か、輪ゴムの様な濃いベージュ色へと

変化したのであった。


「ふむ、どうやら上手い具合に

薄いヒモ状にする事が出来た様じゃな、

どうじゃ、コイン?

お主が望む様な使用目的にコレは使えそうかのう?」

博士は、木板の上で加工を終えた物を

人差し指と、親指とで摘まんでペリペリと剥がし取ると

両手の指で摘まんで何度かビョ~ンビョ~ンと

伸ばして見てから、コインの方へと差し出した。


「へ~、この薄さでも結構な弾力があるんですね、

それに、かなりの強度も感じられるので、

これだったら、十分にズボンなんかの押さえにも

使えそうな気がします。」

コインは、博士から加工品を受け取ると、

博士と同じ様にビョ~ンビョ~ンと軽く伸ばしてみたり

少し強めに長く伸ばしてみたりをしながら感触を確かめ

そう、博士に向かって結論を述べた。


「へ~、ホントに、

こんなに薄くても結構な弾力があるんだね」

「強さもナカナカ」

「何か、クセになる感じの伸ばし心地っすよね」

コインから受け取った加工品を

順番に試して見た3人も、その様な感想を述べた。


「うむ、実用化が叶いそうなら、

もっと大きな木板に均等な厚さに広く伸ばして、

使用目的ごとの大きさや細さにカットした方が

良いのかも知れんのう」


「ええ、アイデア次第では、

広く色々な物に使えると思いますよ、

僕としては、早くズボンのウエストに入れられる

寸法の物を量産して頂けたら嬉しいですね」

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