表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
210/238

スメ・ハラ

「この、発射台の動力源はコレなんじゃが、

見て分かるかのう・・・」

博士が、発射台の側面に取り付けられているパネルを

パカリと取り外しながら告げる


「これは・・・ゴムっぽいひもの束?」

コインが、博士が空けたパネルの内部を覗き込むと

そこには、直径1センチ程の白いゴムの紐の様な物が

数十本ほどの束となっているのが見て取れた。


「ああ、『スプリング・スライム』の素材を使っているのかい」

「なる程」

あねさん方は、コレの事を知ってるんっすか?」


「フォフォフォ、流石にお嬢さん方は一流の冒険者だけあって、

この素材の事を知って居った様じゃな」


「ああ、前にコイツの本体を狩りに行く依頼を受けて

パサラと2人してヒドイ目にあったからな、

ありゃ忘れられない経験だったぜ」

「最悪の思い出」


「ポラリさん達ほどの方々が大変な思いをする程の

強敵だったんですか?

その、スプリング・スライムとかいう魔獣は・・・」


「いいや、そのスライム自体を狩るのは

大した手間じゃ無いんだよ、

生息しているのが熱帯雨林の中の沼ってのは面倒なんだけど、

コイツらが問題なのは倒してからなんだ、

死んでから腐敗し始めるのが矢鱈と早くて、

倒した瞬間に魔法なんかで凍らせないと

もの凄っんごい悪臭を放つんだよ」

「七転八倒」


「酷い目に遭ったって事は、

ポラリさん達は、その事を知らなかったんですか?」


「ああ、依頼主はライ様方だったんだけど、

面白がって態と私らに教えなかったみたいなんだよ、

まあ、身内からの依頼って事で、

碌に下調べをしないで出掛けた私らも私らなんだけどね・・・」

「仕返しは果たした。」


「仕返しって、御義兄様方にですか?

聞くのが怖い気もしますけど、

一体全体、どんな仕返しをしたんですか?」


「凍らせたスプリング・スライムを、

パサラが、ライ様たちの寝室のベットの下に隠して置いたのさ、

後は時限爆弾で、氷が溶けたら大惨事って事さ」


「ハハハ、パサラさんじゃ無いと出来ない仕返しですね」


「ああ、2人して臭いが消えるまで、

御義姉様方に、寝室の掃除をさせられたから、

どっちかって~と痛み分けみたいなモンだったけどね・・・」

「不当な就労だった。」


「へ~、そんなに臭くなるんですね、

でも、この発射台に使われている加工されたものは、

それ程、臭わないんですね」

コインが、発射台に使われている紐状に加工された束へと

鼻を近づけながら告げる、

僅かにドロ臭さの様な物は感じるものの、

気になる程の臭気では無かった。


「うむ、ソレは適切な加工によって素材を処理した物じゃからな、

スプリング・スライムの素材は、

解凍した後に、素早く『ムシュウ草』の原液を混ぜ込み、

沸騰させない様に熱を暫く加えれば無臭化出来るのじゃ」


「へ~、ちゃんとした臭い処理の方法が確立されているんですね、

太いのを1本じゃ無くて、細いのを束にしてあるっていうのは、

強度的な問題とかの為なんですか?」


「うむ、一度に切れない様にというのは有るんじゃが、

その素材自体を太くする技術というのが

まだ、開発されて居らんのじゃよ、

何故か、これ以上の太さにしようとすると

非常に切れ易くなってしまうんじゃ」


「なる程、その辺の研究とかも、

これからって訳なんですね・・・

ところで、この素材の、もう少し薄くした物って、

何処かで手に入れられないですかね?」


「うん?もっと薄い物じゃと?

太くするのは難しいが、

薄くするならばウチの研究所でも簡単に加工出来るぞい

しかし、そんな物を何に使うと言うのじゃ?」


「ええ、大した事じゃ無いんですけど、

もし安価で作って譲って頂けるなら、

この国に来てから、僕が気になっていた問題が

一つ解決できるんですよ・・・」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ