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成長

「え~と、確か村長さんの話だと、

次に立ち寄った方が良い村はブラック村って言ってたよな・・・

その村の村長のディックさんて人が知り合いだから、

ケンケン村長の名を告げれば、きっと協力してくれるって事だったな」

急ぎの旅路では無いので、テクテクとマイペースで街道を歩いているコインは、

チキチキ村の村長ケンケンから聞いた

この国の首都である『学園都市ツクバーダ』までの道程を思い返しながら、

呟いた。


「確か、ブラック村、ガンセキの街、ヒュードロ村、クロイツェル村を経由して、

ハンサム・シティーって街まで行けば、

この国の首都ツクバーダには直ぐに着くって言ってから、

取り敢えずは途中で立ち寄る村に、狩った獲物の肉や毛皮を買い取って貰って、

小遣い稼ぎをしながら行くかな」

コインがチキチキ村を出発してから2時間程が経っていたが、

その間、ずっと街道を歩いていたにも関わらず

角兎2匹と、草原狼3頭の襲撃を受け、

それを撃退して魔導リュックへと死体を収納していた。


「ケンケン村長が最近、魔獣の数が増えている気がするって言ってたけど、

この短時間で、こんなに頻繁ひんぱんに魔獣と出会うところから見ても、

村長さんの気の所為せいって訳じゃ無さそうだな・・・っと、

言ってるそばからコレかよ!」

コインは、街道脇の草原の草をぎ倒しながら、

自らへと向かって突進して来た六足猪を難無くかわし、

その首を、鞘から抜き放った剣で切り付けながら、そう言った。


「こりゃ大物だから、先に血抜きまでしておかないと、

葉っぱでくるんで魔導リュックに収納しても、

中が血だらけになっちゃいそうだよな、

しょうがない、近くに解体が出来そうな水場が無いか探すか・・・」

コインは、六足猪の死体の足を掴むとズルズルと引きずって街道からずらし、

少し離れた場所に生えている木の所まで行くと、

得意の木登りでスルスルと上がり始めた。


「一番近そうな水場って言うと・・・おっ!割とここから近い場所に、

良い感じの岩場と川があるじゃないか、

よし!あそこで血抜きするついでに解体までしちまうかな」

コインは、スルスルと木から下りると、

六足猪の所へと戻り、魔導リュックを胸の方に回して付けて、

その代わりに両足を掴んで持ち上げた六足猪を担ぎあげた。


「雑魚とは言っても、一応はツノウサやソウロウも魔獣だから、

倒した分だけ僕のレベル的な物が上がってるみたいだな、

この世界に来たばかりの頃じゃ、こんな重い魔獣が持ち上げられるなんて、

考えられなかったもんな」

コインは、チキチキ村で毎日狩りをしている内に、

自分の身体能力がメキメキ上がっているのを感じていた。

一日の狩りを終えて解体作業を行う時に、

日を追うごとに、重い魔獣を段々と軽く持ち上げられる様になって来ているのに、

気が付いたからである


「このペースで毎日、狩りを続けて行けば、

冒険者登録をする頃には、

結構、強くなれるんじゃ無いのかな?」

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