ケース・バイ・ケース
「め、女神様の、ご、御眷属で在らせられられられるっすか!?」
女神ちゃん(小)のセリフを聞いたサナエが、
驚愕の表情を浮かべながら確認をする
「ええ、ちょっと『られ』が多いみたいだけど、
確かに私は女神フェルナ様に仕える者よ」
女神ちゃん(小)が、
これ程までか!?っいうドヤ顔をしながら返答する
「こ、これは、知らぬ事とはいえ、
大変に失礼をしたっす!」
サナエは、そう女神ちゃん(小)に謝罪の言葉を述べると、
先程のポラリの様に見事なジャンピング土下座を決めた。
「パサラさん、ちょっと聞いても良いですか?
さっきのポラリさんも、そう何ですけど、
獣人の人って、他の種族の人よりも女神様に対する、
崇拝度的なものが高いのでしょうか?」
「そう、断トツ」
「それには、何か理由でもあるんですか?」
「高い身体能力」
「高い身体能力?
それは、他の種族と比べて、
優れた身体能力を与えてくれた女神様に対して、
獣人族の人達が、とても感謝をしてるからとかですか?」
「そういう事」
「え~と、確か・・・サナエちゃんだっけ?
さっきの『頭が高い』ってのは冗談だから、
普通に立って会話をして貰っても良いわよ、
ホラホラ、ポラリも立ちなさいよ、
あなたが土下座したままだと、
サナエちゃんも立ち上がりづらいじゃないのよ」
「はっ!ありがたき御言葉を御頂戴致しまして、
このポラリ、恐悦至極で御座います!
では、御言葉に御甘え致しまして、
おい、サナエ!御眷属様のお許しが出たので立ち上がるぞ!」
「ポラリの姉さん、
こういう時は3回ぐらい御言葉を頂戴してから立つんじゃないんっすか?
何か前に、偉い人と御会いする時には、
そうするもんだとか冒険者の先輩が言ってるのを、
聞いた事があるんっすけど・・・」
「何!?そうなのか!?
ウチの国のライ国王陛下は、
誰に対してもフレンドリーな感じなんで、
そんな対応をしてる人とかを見た事が無いんだが、
他の王族とか、上位貴族とかに会う時は、そうするもんなのか?
え~と・・・御眷属様、大変に申し訳御座いませんが、
私、偉い方に対する作法とかがホボホボ分かりませんで、
こういった場合も、如何すれば良いのかが良く分からないのですが、
御頂戴をした御言葉通りに、立ち上がっても宜しいのでしょうか?」
「ええ、そういうの面倒くさいから、
とっとと立ち上がって貰って構わないわよ、
確かに、そういう特権階級的な扱いを求める、
上位貴族とかも居るには居るみたいだけれど、
最近は、各国の王様にフレンドリーな人が増えて来たから、
そういう、昔ながらの古臭い風習とかは、
段々と無くなって来てるみたいだけどね、
まあ、中には未だに古臭い考えに囚われたお偉いさんとかも、
生き残ってるみたいだから、
その辺は、あいてのタイプを見極めて、
ケース・バイ・ケースで対応すれば良いんじゃないのかしら?」
「はは~っ!心得ました!」
「御指導、御鞭撻の程、ありがとう御座いますっす!」
「何か、やたらと僕達の影が薄いですよね、パサラさん」
「うん、極薄」