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出立(しゅったつ)

コインが、チキチキ村で臨時の狩人を引き受けてから1か月が経過し、

予定していた通りに、元狩人のピュンピュンの息子であるシュピシュピが、

家族共々無事に到着を果たし、

役目を終えたコインは、当初の予定通りに冒険者に成りダンジョンを目指す旅へと、

出発しようとしていた。


「コイン兄ィ、このまま俺達と一緒に、この村で暮らそうよ~」

「そうだよ、『泥ダンゴ・マスター』の兄ちゃんが居なくなったら、

だれに泥ダンゴ作りをおしえてもらえばいいの?」

「コインお兄ちゃんが、このまま村にのこってくれたら、

ミウミウが、およめさんになってあげるよ」


「バウバウ、この村に来た最初にも言ったが、

僕は冒険者に成ってダンジョンに入りソコソコ有名にならなきゃならない訳があるんだよ、

それからクンクン、この泥ダンゴ・マスターからお前達に教える事は、もう無いぞ、

後は、それぞれ々の鍛錬たんれんにより自分なりの泥ダンゴ道を極めていくのだ!

ミウミウ、10年後に僕のお嫁さんになりますっていう誓約書せいやくしょを作るから、

名前を書いて拇印を押してくれるか」


「ハッハッハッ、随分ずいぶんと村の子供らに懐かれた様子じゃな」


「ああ村長さん、色々とお世話になりました。」


「お世話になったのは、こちらの方じゃ、

コイン君のお蔭で村の者達も毎日、美味しいお肉を口にする事が出来たからのう、

お前たち、コイン君とは元々シュピシュピ君ら家族が来るまでとの、

お願いで村に居てもらったんじゃ、余り無理を言って村の恩人を、

困らせるもんでは無いぞ」


「「「だって・・・」」」


「みんな、僕をしたってくれる気持ちはがたいし嬉しいけど、

どうしても行かなきゃならないんだよ、

その代わり、冒険者としての活動の方が、ある程度の軌道きどうに乗ったら、

一度、お土産を沢山持って帰って来るからさ、それで勘弁してくれないか?」


「本当に帰ってくる?」

「ホント?」

「ホントにホント?」


「ああ、僕は絶対に約束を守るから信じて待っててくれるかな?

何だったら、指切りゲンマンをしたって良いぞ、知ってるか?」


「うん、昔の勇者様が考えた約束を守らせるためのオマジナイだよね」

「ぼくも、しってるよ!」

「ミウミウも、しってる!」


「へ~、昔の勇者様が伝えてたのか、

そんじゃ、みんな、指切りするか?」


「「「うん、するする!」」」


「よ~し、ゆ~びきりゲンマン、嘘ついたら・・・」


「「「アシッド・スライムの~ます!ゆびきった!」」」


「何、その妙にリアルな内容の指切りゲンマン・・・

そういえば、みんな、お土産を買って来る時のリクエストは何かあるかな?」

コインは、背中の魔導リュックを下ろすと、

中からノートと鉛筆を取り出しながらたずねる、

ちなみに、このノートと鉛筆は、ダメ元で筆記用具があるかと村長に聞いたところ、

マッスル王国という国で両方とも大量に生産されているので、

この様な辺境の村でも楽に入手が出来るとの事で、分けて貰った品物であった。


「俺は、カッチョイイ弓矢がいいな」

「おいしい、おかしが食べてみたいな」

「ミウミウは、キレイな、おようふくが着てみたいな」


「バウバウが弓矢で、クンクンがお菓子、それとミウミウが洋服ね・・・分かった。

ちゃんとメモ書きしといたから忘れないで買って帰って来るよ、

だから、それまでの間、みんなも楽しみにして良い子で待ってるんだぞ」


「うん!俺、イイ子でまってるよ」

「ぼくも!」

「ミウミウも!」


「よしよし、そんじゃ、そろそろ出発するかな、

村長さん、お元気でお過ごし下さいませ、

それと、村の皆さんにもよろしくお伝え下さい。」


「うむ、村の皆には宜しく伝えておくよ、

コイン君の腕前なら心配はいらないと思うが、気を付けて行くんじゃよ」

「コイン兄ィ、行ってらっしゃ~い!」

「はやく、かえってきてね~」

「おみやげ、わすれないでね~」


「ああ、みんな行って来るよ!」


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