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格言?

「あの~、ちょっとお聞きしても宜しいでしょうか?」

『クロイツェル村』へと到着したので、

馬車の御者台から降りたコインは、

村の入り口近くに居た村民と思われる人物へと声を掛けた。


「ハイハイ、何でしょうかね?」

コインから声を掛けられた初老の男性は、

人好きのする笑顔を浮かべながら、そう告げる


「僕達、今朝にヒュードロ村を発ちまして、

今、こちらの村へと訪れたのですが、

近くで、この村の方と思われる人物を保護させて頂きまして、

ご本人が意識を失われて居られるので、

どちらに、お連れすれば良いのかと思いまして・・・」


「それはそれは、態々すみませんな、

どれどれ、ちと、その者を確認させて頂けますかな?」


「はい、こちらですのでご案内します。」

コインは、馬車の乗り込み口へと男性を案内した。



「は~、もしやと思えば、やっぱりマックスさんかね」

馬車の中で横たわっている人物を見て、

男性が告げる


「意識を失われる前に、ご本人もおっしゃっておられましたが、

やっぱりマックスさんと仰られるんですね?」


「ええ、ええ、確かに、

この村に住む、マックスさんで間違え御座いませんな、

そうすると、早急に村の若い衆らに、

船の残骸の片付けへと向かわせねばなりませんな・・・」

マックスは日常的に、先程コイン達が遭遇した様な行いをしている様で、

男性は、ヤレヤレといった様子で、そう呟いた。


「あっ、船の残骸の掃除でしたら、

もう済んでいるから大丈夫ですよ、

街道の上に散らばっていたので、

旅人や馬車の往来の妨げにならない様に、

僕の仲間が片付けましたから」

「感謝するが良い」

コインの言葉に追随し、馬車に乗るパサラが偉そうに告げた。


「それはそれは、村の者がご迷惑をお掛け致しましたな、

ありがとう御座います。助かりました。

前にも同じ様な事があった際に、

運悪く、お偉い方の馬車が通り合わせた事がありましてな、

その際は、ご立腹されたお偉い方と、

マックスさんとの大ゲンカとなりまして、

村の者総出で止めには居る大騒ぎになったんですよ」


「そんな、偉い人を怒らせて、

このマックスさんは大丈夫だったのかい?」

馬車に乗るポラリが問い掛ける


「ええ、この様な地方の村にて暮らして居りますが、

そのマックスさんは、数々の発明にて、

この国でも有名な人物ですからな、

マックスさんの正体を聞かれた、そのお偉い方は、

直ぐに和解されて、

マックスさん自筆の『注意一秒、怪我一生』との、

格言が書かれた色紙を貰い、喜んで帰られましたぞ」


「へ~、このオッさんって、

そんな有名人なんだ。」

「まあ、私ほどでは無い」

「それじゃ、やっぱり、サナエさんが知ってた人って、

マックスさんって事で間違い無さそうですね、

それにしても、その格言が一番必要そうな人は、

マックスさん御本人だと思いますけどね・・・」

「そうっすね、こんな変わりもんが、

そう何人も居るとは思えないっすからね」

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