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サーベルはどこ?

「釣れてますか?」

昼食の準備を終えたコインが、

そう声を掛けながら湖の畔へと様子を見に来る、

サナエは火の番をしながら、そのまま元の場所に残っている様だ。


「ああ、ご覧の通りに、

今、パサラが大物を釣り上げたところだよ」

「えっへん」


「うわっ!?めちゃくちゃ大きい魚じゃないですか、

もしかして、この湖の主ってヤツですかね?

それにしても、よく、パサラさんの方が、

逆に湖に引きずり込まれないで済みましたね?」

コインは、パサラが魔導リュックから取り出した墨を、

体長5メートルはあるとみられる巨大な魚の体に塗りたくってから、

魚より、さらに巨大な紙を、

その上へと乗せて魚拓を取っているのを見ながら、そう告げた。


「ああ、引きずり込まれない様に、

あらかじめ自分に魔法を掛けといたんだとさ・・・」

「備えあれば憂いなし」


「流石は、魔法のスペシャリストのパサラさんですね」


「余り褒めると調子に乗るから、

ほめ過ぎるんじゃ無いぞ?コイン」

「まあ、それ程ではアル」


「ハハハ、パサラさんの魔法が凄いのは事実ですからね、

そういえば、ファーは何処に居るんですか?ポラリさん」


「そういや、さっき潜ってから割と時間が経ってるな?

パサラが大物を釣り上げたのに気を取られてて、

すっかり、気が付かなかったぜ」


「どの辺に潜っているんですか?」


「ああ、こっちの方だよ、」

ポラリが、コインを案内する様に、

パサラが釣りをしている場所から少し離れた場所へと歩いて行った。



「お~い!ファー、そろそろ上がって来なよ!」

「ファー!そろそろ、お昼にするぞ~!」

コインとポラリは、ファーが湖の中へと潜って行った

場所の付近まで着くと、

湖の中へと向かって大声で呼びかけた。


「・・・・・上がって来ませんね?

ファーは、水の中に居ても、僕達の声が聞こえるんですかね?」

「ああ、さっきまでは呼びかけると反応していたから、

聞こえてるんだよ思うぞ」


「そうなんですか・・・・・あっ!?何か見えて来ましたよ、

ファーが上がって来たんですかね?」

「ああ、白っぽく見えるからファーなんじゃ無いかい?」

2人が、心持ちホッとした表情で会話を交わした。


「あれ?何かファーと違うんじゃないですか?」

「ああ、白い服を着た人っぽく見えて来たね」

2人が、湖の中から浮上して来る何者かを見守っていると、

その姿が、見る見るうちへと大きくなって来て、

湖面から浮上する段階では、ダボッとした白い衣装を身に付けた

白髪に、白い髭を蓄えた老人である事が見て取れた。

不思議な事に、湖の表面へと立つ様に浮上した老人の服は、

ちっとも濡れている様子が無く、

湖面を渡る心地よい風にファサッとそよいでおり、

その右手には、頭がコブの様な形になった

1.2メートル程の長さの木の杖が握られていた。


「あの~、どちら様でしょうか?」

「湖の表面に立てるなんて、

爺さん、あんた何者だい?」


「ワシは、この湖『タイガー・ジェット湖』の守り神である、

『タイガー・ジェットしん』であ~る!エッヘン!」


「何か、どこかで聞いた様な名前の神様だな?」

「また、面倒くさそうなヤツが現われたもんだね・・・」

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