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情けは人の・・・

「僕の名前はコインって言うんだ

他の国から来たばかりで、この国で冒険者になってダンジョンにもぐる予定なんだけど、

臨時りんじで、ピュンピュンさんの息子さんの、シュピシュピさんが返って来るまでの間、

この村で猟人かりゅうど真似事まねごとをする事になったんでよろしくな!

ところで、君達の名前は何ていうんだい?」

コインは、木の枝にぶら下げた獲物を解体しながら、

みずからの言い付け通りに、少し離れた場所から解体作業を見学している子供たちに、

そうたずねた。


「俺はバウバウって言うんだ!

こいつは弟のクンクンだよ、ヨロシクなコイン兄ちゃん」

「クンクンです。ヨロシクおねがいします。」

見た感じ10歳程度の犬獣人の兄と、それよりわずかに年下に見える弟が、

コインの質問に、そう答える


「わたしはミウミウ!

ヨロシクおねがいします。コインお兄さん」

犬兄弟の、弟と同い年ぐらいに見える猫獣人の少女が、そう告げた。


「そうか、バウバウとクンクンとミウミウだな、

名前の付け方のセンスには少し疑問が残るが、ちゃんと覚えたよ」


「時にコイン君、その獲物らの肉は有り難く頂くとして、

いだ皮の方は如何どうするんじゃ?」

それまで、子供たちと一緒に黙って解体作業を見守っていたケンケン村長が、

コインに、そう尋ねる


「自分で加工できる訳でも無いんで、

皮も丸々差し上げますから、何かに使ってくれますか?」


「それは、有り難いが・・・そう言えば先程、

私の家でムツアシの肉の塊を魔導リュックから出して居ったが、

アレの皮もあるのかの?」


「はい、魔導リュックの中にあるから差し上げますよ」


「そうかい、ムツアシの皮もちゃんとあるのかい、

それは、ちょうど良いかも知れんな・・・

コイン君は、冒険者が常備している様な外套がいとうは、お持ちかな?」


「いえ、まだ気候が良いんで持って来ませんでした。

寒くなってきたら、どっかの街の店ででも買おうかと思いまして・・・」

女神ちゃん(小)が用意したのは冒険者向けの服のみだったので、

コインは、村長にそう告げる


「そうですか!では、幾らなんでも何から何までコインくんに、

お世話に為りっぱなしでは私共も心苦しいので、

せめてもの御礼という事で、雨風に強いヨツアシの革を使った外套一着と、

寒さに強いソウロウの外套を一着づつプレゼントさせて頂けますかな?

幸いな事に、我が村には腕の良い革職人のジャンジャンさんが居ますからな」


(革職人のジャンジャンさん・・・革ジャン・・・)

「それは、僕としても大変に有り難い話ですが、

革の加工というのは、かなりの手間と時間が掛かるものなんじゃ無いんですか?」


「ジャンジャンさんへの手間賃てまちんに付いては心配要りませんぞ、

ウチの村は豊かな土壌と、豊富な水量をほこる井戸がありますからな、

良質な農作物が沢山収穫できるので、

近隣の街や村への売り上げで、そこそこにはうるおっていますのじゃ」


「そうなんですか・・・では、お言葉に甘えさせて頂く事とします!」

コインは、折角の村長の厚意を余り断り続けるのも失礼と考えて、

外套のプレゼントを受け取る事とした。

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