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ホネは見掛けに寄らぬもの

「しかし、喜んだのも束の間、

ワシは、『死霊使い』の才能を持ってはいても、

その、才能を開花させる術を知らん事へと、

直ぐに思いが至ったんじゃ」

グレソム老人は、コインとサナエに向かって、

そう告げる


「まあ、珍しい種類の魔法らしいですからね、

一般的には、知られて居ない何て事があっても、

全然、不思議では無いですよね」

「そうっすね、同じ系統の黒魔法使いの人でも、

知らない人が殆どじゃないっすか?」

コインとサナエが、そう相槌を打った。


「そこで、これまた珍しい事に、

このポラリが積極的に『教えてやる』って言った訳さ」

「偶々の気紛れ」


「偶々でも、気紛れでも十分で御座いますとも!

ワシに取っては、これ程までに無い僥倖ぎょうこうでありました!

師匠の教えは素晴らしく、

死霊使いの『シ』の字も知らなかったワシが、

僅か一週間で、スケルトンを従えられる様になったのですからな」


「えっ!?たった、一週間で使える様になったんですか!?」

「パサラのあねさんの教え方が上手かったってのも、

多分に、あるとは思うッすけど、

爺さんの才能が豊かだったってのも、ありそうっすね」


「まあ、そうだね、

教えてたパサラ本人も、驚く程の上達の早さだったからね」

「まあまあの才能だった。」


「お蔭でワシは、無謀な転職などはせずに、

そのまま、冒険者として、やって行くことが出来ましたのじゃ」


「また、前にパーティーを組んでいた人達の元へと、

戻ったんですか?」

「一度、爺さんの事を追い出したヤツラの元には、

戻って欲しくは無いっすね」


「いいや、態々、他の冒険者と組まんでも、

スケルトンを仲間として、やって行けたからのう

それ以後は、ソロの冒険者として、

討伐系のクエストを中心にこなして居ったんじゃよ」


「え?自分が従えてる、

スケルトン達とパーティーを組んでたんですか?

それだと、前衛ばかりみたいになって、

物理攻撃に強い魔獣なんかが相手だと、

倒すのが大変だったんじゃ無かったですか?」

「そうっすよね、爺さんの黒魔法は、

直接、相手に攻撃が加えられるって訳じゃ無いっすからね」


「それに、関しては心配要らんかったのじゃ、

ホネノスケが、火・風・土・水属性の、

そこそこ強い攻撃魔法が使えたからのう

魔法攻撃が有効な魔獣には、ホネタロウらが足止めをして居る間に、

ホネノスケの魔法で仕留めて居ったんじゃよ」


「ホネノスケ凄ぇな!?」

「スケルトンが火魔法を使っても大丈夫なんっすかね?」


「そう言えば、師匠らは何故に、この国へといらしたのですかな?

やはり、クエストで訪れられたのでしょうか?」


「ああ、パサラの身内に、この国のお偉いさんが居てね、

その伝手で頼まれたクエストを熟しに来たって訳さ」

「うん、『太郎』の頼み」


「え?僕は初耳なんですけど、

パサラさんの身内に『太郎』って名前の人が居るんですか?」

「この国の、お偉いさんに、

そんな名前の人が居たっすかね?」

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