目標
「それから、ブーストできる能力が10パーセント上がったんだっけ?
そっちも、中々良いんじゃないかね」
「使える」
ポラリの言葉に、パサラがウンウンと頷きながら同意する
「そうですか?
10パーセントなら、そんなに変わらないんじゃ無いんですかね?」
「10パーって、1割って事っすもんね」
「その少しが、案外重要だったりするんだよ、
簡単に言うと、魔法の力が1割強まるって事は、
その分、魔力の消費量が減るって事だよ?
単純に考えると、今まで10発撃てていた魔法が、
11発撃てる様になるって事さ、
2人とも、今まで、命を懸けて戦わざる負えない様な、
強敵なんかと戦った事が無いだろうから、分から無いかも知れないけど、
接戦ていうものは、得てして、そういう1発が物を言うもんなのさ」
「取って置きは重要」
「へ~、そんなもん何ですね、
流石にA級の御二人が言うと説得力がありますね」
「姉さん方にも、そんなギリギリな経験があったんっすか?」
「いいや、私とパサラは基本的に『命を大事に』だからね、
何をするにしても、入念な下調べをバッチリしてから望むから、
そんな、命の危険を感じる様な、やり取りをした事は無いね、
今のは、ウチの両親や、パサラの義姉様方からの受け売りさ」
「敵を知り、己を知れば100戦危うからず」
「A級に上がるまで、
命の危険を感じた事が無いってのも凄いですよね、
流石は、身内に元S級を持つだけはありますよね」
「えっ!?姉さん方の身内に、
元S級だった方が居らっしゃるんっすか!?」
「ああ、私の両親が元S級だったし、
パサラの御義兄様方のパーティーも元S級だったのさ」
「私も、その一員だった。」
「お~!お二方とも、身内の方も凄いんっすね!
まさに、冒険者のサラブレット・コンビっすね!」
「まあ、私もパサラも、
親父らに比べりゃ、全然マダマダ何だけどな、
いつの日にか、追い付き、追い越したいとは思ってるけどね・・・」
「今の、平和な時代では難しい」
「へ~、お二人には、そんな目標があったんですね、
そんじゃ、この国にあるっていうダンジョンの攻略が、
目標を達成する為の、第一歩とかになれば良いですね」
「オレも、微力ながら、
姉さん方の、目標達成の為に協力させて頂くっす!」
「ああ、コインとサナエには期待をしているよ、
久々の大仕事の予感を持って来た、この国で、
こうして、あんたら2人に出会ったのは、
決して、只の偶然じゃ無いって私も思ってるからね、
きっと、女神フェルナ様が、
私らに、何かを成させようとして引き合わせたのさ」
「多分、只の偶々」
「ハハハ、まあ、女神様の御蔭かは兎も角、
お二人との出会いには、僕も感謝していますよ」
「感謝、感激、雨あられっす!」