救援
「停めて」
特別クエストで訪れた『ディスティニーランド山』を後にして、
『ガンセキの街』へと向かう街道へと戻り、
魔導車のハンドルを握るコインが、快調に飛ばしていると、
後部座席に座るパサラから、そんな声が掛けらる
「どうしたんですか?パサラさん」
コインは、素直に魔導車を路肩に寄せて停車させると、
後部座席の方へと振り返って、そう尋ねた。
「あれ」
「あれ・・・ですか?
あ~、何か土埃が上がっていますね」
コインが、パサラの指を差す方向へと目を向けると、
遥か彼方に、土埃が上がっているのが見て取れた。
「どうやら、複数の誰かが、
魔獣の群れに囲まれている様だね・・・」
「見た感じ、周りを囲んでるのは、
赤狼の群れみたいっすね」
人族のコインには土埃にしか見えなかったものの、
視力が高い獣人のポラリとサナエには、
その状況までもが見て取れた様であった。
「えっ!?それは、大変じゃ無いですか!
直ぐに助けに向かいましょうよ!」
「行ってら」
「えっ?パサラさんは行かれないんですか?」
「車両待機」
「あのぐらいの規模の赤狼の群れなら、
コインとサナエで十分だから、レベル稼ぎの心算で行って来いとさ・・・」
「まあ、赤狼は群れると割かし面倒っすけど、
1匹1匹の強さは大した事無いっすからね、
オレとコインでも十分な戦力っぽいっすね」
「そうなんですか?
じゃあ、2人で助けに行って来ましょうよ、サナエさん」
「おう!行こう行こうっす!」
「あれ?あの狼の群れに囲まれてる人達って確か・・・」
サナエと共に、狼の群れに囲まれた人達を、
救援する為に駈け付けたコインが、
その人々を見て、そう呟く
「ああ、パサラの姉さんに記憶を操作されて、
一足先に街に返された冒険者達っすね」
「何で、街に向かった、あの人達が、
街道から随分と離れた場所で、赤狼の群れに囲まれているんですかね?」
「大方、クエスト未達成の分の赤字を補填する為に、
街道から外れて、魔獣を狩りながら帰ろうって話にでもなったんっすよ」
「それで、自分達が囲まれてたら話にならないですよね」
「全く持って、コインと同感っすね」
「お、お~い!その出で立ちからすると、君らは冒険者か!?
怪我人が多数出て苦戦してるんだが、ご助力を願えないだろうか!?」
近付いて来たコインとサナエに気が付いた冒険者が、
大きな声を上げて、2人に、そう助けを求めて来る
「ええ!元より、その心算で駈け付けて来ました!」
「オレ達が助太刀するっすよ!」
「おお!ご助力感謝する!」
堂々とした様子の2人に、
それなりの、実力を持った者らが駆け付けたと見た冒険者達は、
一様にホッとした表情を浮かべて居た。
「そんじゃ、サナエさん、
身体強化の魔法を使われる前に、僕がブーストしますね、
この程度の数なら、100円で良いかな?」
「おう!サンキュっす!コイン」
「『マイバンク100円引出し!』
『コインブースト!』・・・オッケーです!サナエさん」
「よっしゃ!『身体強化!』
オレは、左回りに片付けて来るっすから、
コインは、右回りっすよ!」
「分かりました!」
コインは、腰に下げた柄から剣を抜くと、
向かって右手の赤狼の群れへと、走り始めた。
申し訳御座いませんが、
暫くの間、仕事が忙しくなるので、
更新の方が不定期となります。<(_ _)>




