ビーム、ビーム、ビーム!
「キーワードは?」
マッキーとビッガーに向かって、
パサラが問いを掛ける仕草を見せた。
「えっ?キーワードですか?」
「何のキーワードでしょうか?」
問いを掛けられた2人が戸惑いの様子を見せる
「パサラが言いたいのは、
麻痺の魔法を発動する際に、
マッキー達が唱えるキーワードを何にするかだな、
基本的には魔力を流せば、自動的に魔法が発動する様に出来るんだが、
それだと、何かの拍子に勝手に発動したりして危ないだろ?
生活魔法なんかを使う際にも、体には魔力が流れるからな」
パサラに代わって、ポラリが2人の質問に答える
「なる程、それは確かに危ないですよね」
「キーワードは、何でも良いんですか?」
「ああ、2人が憶え易い言葉だったら、
何でも大丈夫だと思うよ」
「「では!『目からビーム』で!!」」
「あ、ああ、2人とも同じキーワードで良いのかい?」
「「是非に!!」」
「・・・だそうだが、
大丈夫だよな?パサラ」
「大丈夫」
「なあコイン、マッキーとビッガーが、
思い切り大きな声でハモってたっすけど、
あのキーワードには、何かあるんっすか?」
不思議そうな表情で、サナエがコインに尋ねた。
「ああ、あれですか、
あのキーワードは、僕のオリジナルが暮らす地球の日本って国では、
『お約束』のキーワードなんですよ、
僕も、もし目から光線が出せるとしたら、
間違い無く、あのキーワードを選びますね」
「『お約束』ってのは何っす?」
「ああ、『お約束』っていうのは、
様式美的に使われている言葉ですね」
「じゃあ、あのキーワードの言葉は、
その、ニホンとかいう国で有名な言葉なんだな」
「皆が皆、知ってるという訳では無いですけれども、
日本に生息している、ある有意義な趣味の持ち主の人達には、
『ああ~、うんうん』って、納得して貰える言葉です。」
「なる程、同じ趣味を持つ仲間の間では、
普通に通用する言葉って事っすね」
「まあ、そんな所です。
そんじゃ、パサラさん、キーワードの方も決まった事だし、
そろそろ、ブーストの方を掛けますか?
そう言えば、ブーストを掛けるとして、
金額を、幾らに設定すれば良いですかね?」
「一応、5円で」
「5円だと、どの位の間、
2人の着ぐるみの目に付いてる宝石に、
魔法を付与した効果が残るんですか?」
「通常1か月、5円で3年」
「おお~、結構持ちますね、
まあ、3年もあれば、
アレに、また会う機会が訪れるでしょうから、大丈夫ですね」
「そう」
「そんじゃ、ブーストの方をしますね、
『マイバンク!5円引出し』『コイン・ブースト!』
良いですよ!パサラさん」
「うん、『浸食』『麻痺光』・・・2人とも出来た。」
「1回の魔法で、2人に付与出来たんですか?」
「そう」
「パサラの魔法の『浸食』も『麻痺光』ともに範囲魔法だから、
2人の目の部分に、範囲を限定しとけば出来るんだろ」
「難しいって聞く、部分限定の範囲魔法を、
一発で決めるとは、流石はパサラの姉さんっす!」
「確かに、僕のスキルで増幅された魔法を、
部分的に限定するのは難しそうですね」