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呪いの儀式

「そうですね・・・やっぱメインは、

皆が割と好きなカレーが良いんじゃ無いですか?」

コインは、取り敢えず夕飯のメインとなる料理を提案した。


「うむ、キャンプと言えばカレーが付き物」


「キャンプじゃ無くて、夜営ですけどね、

でもパサラさん、こっちでもキャンプとかってあるんですか?」

平和な日本とは違って、

危険な魔獣が闊歩する、こちらの世界で、

キャンプがあるとは思えなかったコインが尋ねる


「ううん、こっちには無い、

キャンプの事はライ兄から聞いた。」


「ああ、転生者とかいう、

パサラさんの、お兄さんから聞いたんですね」

コインは、魔法の話題以外でも、

家族に関する話題では、普段は無口なパサラが、

割と饒舌になるな~と思いながら告げる


「そう、カレーの他にも、

丸太を組み上げた物に火を放ち、

その周りで、怪しげな呪歌を歌ったり、

狂気に支配された踊りを繰り広げたりする儀式を、

意味するのがキャンプ」


「違いますからね!

キャンプは、そんなオドロオドロしい儀式とかじゃ無くて、

大人も子供も楽しくワイワイと騒げるイベントですから!」


「では、キャンプファイアーの最後に、

その火の中に生け贄を捧げるのも無し?」


「無いです!

どんな、ニセ情報を吹き込まれてるんですか、まったく・・・」


「通りで、美味しいカレーと、

その儀式のイメージが結びつかないと思った。」


「そうでしょ?

そんな儀式をするなら、生け贄の、

生き血でカンパイとかしそうですもんね」


「うむ、しそう」


「そんじゃ、少々話が脱線しましたけど、

メインはカレーって事で良いですかね?

そうすれば後は、サラダとか揚げ物なんかを、

他に添えれば良いんじゃ無いですか?」


「賛成」


「そんじゃ、そのメニューで、

パサラさんは下準備を進めててくれますか?

僕は、焚火の準備をしときますんで」


「了解」


魔導バックから食材を取り出して、

料理の下準備を始めたパサラを確認したコインは、

焚火の準備をする為に、魔導リュックから草刈り用の鎌を取り出して、

近場の草叢へと向かった。


「う~む、どの辺が焚火に向いてるかな・・・?」


『キュキュ~!』

コインの独り言を聞いたファーが、

巻き付いていたコインの首からスルスルと降りると、

草叢の方へと走ってから、ヒョイと後ろ足で立ち上がり鳴いた。


「そこら辺が良いのか?ファー」


『キュ~!』


「よし、じゃあ、ファーお薦めの、

その場所で焚火をするとするか・・・」

コインは、そう言うと、

ファーが居た場所の周りに生える草を刈り始めた。

ファーは、自分の任務を終えたとばかりに、

再びコインの体にスルスルとよじ登ると、

その首に巻き付いた。


「なる程、ある程度は地面が平らで、

大きな石なんかも埋まって無いから、

切り開くのが楽な場所だな」

草刈りを進めるコインが、

刈られた草が無くなり、次第に現われて来る地面を見ながら、

感心した表情で、そう告げる


『キュキュ~!』


「そうだな、ファーのお蔭で、

良い焚火の場が作れそうだ」

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