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夢の国の山

「それで、その行商人の方は一先ず置いとくとして、

ケルーとかいう薬草の方に関する情報ってのは、

何かあるのかい?」

ポラリが、街長のタメゴロに尋ねる


「うむ、偶然にも、

我が街の商業ギルドへと、薬草を納めている者の中に、

その薬草名と生息地を知る者が居ってな、

この街から北西の方向に130キロ程進んだ所にある、

『ディスティニーランド山』という山の、

中腹辺りに生息しているとのだ」


「そこまで分かってるなら、

何も、態々高い依頼料を払ってまで、

ウチらに特別クエストを依頼する必要も無いんじゃないのかい?」

「うん、簡単そう」

「薬草の名前と、生息地が分かってんなら、

鑑定のスキル持ちの人が一緒に行けば、直ぐ見つかりそうっすよね」

「何か、『関わると危い夢の国』に似た名前の山ですね・・・」


「それ何だがな、

当初は、普通に兄貴からの採取クエストとして受けて、

ウチの冒険者パーティーを向かわせたんだが、

もう3か月で、3組もの連中が行方知らずになってるんだ」

ポラリの質問に対して、ギル・マスのトンチキーが返事を返す。


「たった3か月で、3組だって?

その連中の腕前は如何だったんだい?」


「うむ、知ってると思うが、

元々、この国には大して強い魔獣なんて居やしないから、

その腕前としても知れたもんではあるんだが、

最初は、簡単な採取クエストと考えていたもんだから、

E級パーティーの『飛んでもハップン・歩きでジューブン』の連中を、

向かわせたんだわ、

ところが、1か月が過ぎても何の音沙汰が無いと来たもんだから、

何かしらの問題が発生したのかと思い、

一つ上のD級パーティー『爪の燈火(ともしび)団』を派遣した。」


「その連中も戻って来なかったんだね?」


「ああ、そうだ、

仕方が無いので、この街の冒険者ギルドでは最強戦力の、

C級パーティー『サウザント・オールスターズ』の連中まで派遣するって、

羽目になっちまった訳だ

まあ、それでも、一人として戻って来やしなかったがな・・・」


「C級でも戻って来れないとなると、

それなりの脅威が考えられるね・・・

その、C級の連中の力は、どれ程のもんだったんだい?」


「そうだな・・・全員で掛かりゃ、

オーガの一匹ぐらいなら、何とか仕留められるだろうってとこかな」


「う~ん、C級としちゃ今一つだけど、

それなりには戦えるって事か・・・分かったよ、

一人も戻って来て無いっていう今時点じゃ、

用意が出来る最高の戦力を注ぎ込むってのが正解だろうからね、

私らに特別クエストを依頼したのにも納得が行ったよ、

ダラダラと無駄に人員を注ぎ込むよりは、

早く結果が得られるだろうね、

今の私らの戦力なら、まあ、大丈夫だとは思うけど、

一応は、気を引き締めて行こうじゃないかい、

分かったね皆!」


「了解」

「オレも頑張るっすよ!」

「ええ、油断をしない様にします。」

『キュキュ~!』

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