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子供たちに大人気

「おっ、やっと森を抜けるみたいだな・・・

途中で何頭か魔獣が出て来たけど、

女神ちゃん(小)が言ってた様に、大して強く無いヤツばかりで良かったな」

コインは、深い森の中に伸びる獣道の前方に、明るい光が差し込んでいるのを見て、

森の終わりをさとった。

道中、中型犬ほどの体格を持つ角のある兎や、

足が6本もあるいのししに似た魔獣がおそって来たが、

すべて腰に下げた剣で一刀の元に切りせていた。

どちらも、普通の村人では単独で倒すのが困難こんなんほどの強さはゆうしていたのだが、

剣術スキルを持ったコインには、どちらの魔獣も容易よういに倒せたので、

大した強さでは無いと勘違かんちがいをしたのである、

ちなみに倒した魔獣は魔導リュックに収納してあるので、

後で解体スキルを使って肉や素材、魔石などに分別する予定であった。


「おおっ!森の出口の周囲は広場になってるのか、

上手い具合に近くに小川もあるから、

魔獣の解体と、ついでに魔法ってのをためしてみるかな」

コインが森を抜けると、そこには50メートルほどの半円で広場が広がっており、

その横には川幅1メートルほどの小川が流れていた。

広場の先には、30センチほどのたけの草がしげる草原の中に続く、

土の道が伸びているのが見て取れる


「血の匂いで他の魔獣が寄って来るかも知れないから、

森の中での解体は止めて置いたんだが、流れ出る血は小川で洗い流せば大丈夫だろ、

そう言えば、やっぱ、この広場は森から出て来た魔獣に気が付きやすい様にしてあるのかな?」

コインは、小川のわきに、まず兎の様な魔獣を魔導リュックから取り出すと、

ラノベで仕入れたあやしげな情報に習って、首の血管に切れ目を入れてから、

森で採取さいしゅした木のつるで後ろ足をしばりつけて水に入れる、

同じ様に6本足の猪も水に投入すると、余分な血が抜けるまでの間の時間を使って、

魔法の検証けんしょうをしてみる事とした。


「いきなり魔獣との戦いで使って見るわけにも行かなかったから、

この世界に来て、初の魔法トライだな、

折角せっかく、全属性の魔法が使えるみたいなんだし、

戦闘には使えなくても、ソコソコには役だってくれれば良いな」

コインが、どうやって魔法を使うのかを色々と検証けんしょうしてみた結果、

使いたい属性の魔法を頭でねんじると、

今現在いまげんざい使える魔法が頭に浮かぶ様である、

たとえば、火魔法が使いたいと念じると頭の中に『ファイアボール』と浮かぶといった具合ぐあいであった。


「まずは基本的な火・水・風・土辺りをためしてみた方が良いんだろうな、

よ~し、まずは火から行くかな『ファイアボール!』っと・・・」

コインが呪文を唱えると、足元に直径5ミリ程の火の玉がポトリと落ちて、

しばらくジジジジッっと小さく燃えるとフッと消え去った。


「ポトリ、ジジジジッって線香花火の最後かよ!」

コインは、あまりにもの自身の火魔法の威力いりょくの弱さにツッコミを入れる


「全属性魔法ってスキルの後ろに付いてた(超々低級)って、こんなもんなんかよ、

こりゃ、コイン君が玉族たまぞくの村から逃げ出す訳だよ・・・

火魔法の程度からすると、まったく期待は持てないけど一応は他も試しては見るか」

コインは、一応他の属性魔法も試してみる事とする


「え~と、水魔法は・・・『ウォーターショット!』」

コインは、前方へと突き出した右手のこうにポツリと水滴すいてきが当たるのを感じた。


「うん?雨かな?・・・って言うてる場合か!

くそ~、次は風魔法だな・・・『ウインドカッター!』」

周囲にソヨソヨとやわらかい風が吹き渡る


「やっぱ高原に吹き渡る風は心地いいな~・・・って何でやねん!

最後は土魔法だ!え~と・・・『アースバレット!』」

コインの足元に直径3センチほどの大きさの、

ピカピカにみがき上げられたどろダンゴがコロリと転がった。


「これで、僕も村の子供たちのヒーロー間違い無しだね!・・・って違うだろ!

こりゃ、ホントに魔法は使い物にならなそうだな、

それとも、僕のレベルが上がればいくらかは強くなるんだろうか?」

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