勇気は時としていいこともあるかもしれない
俺は知りたい。あいつの全てを。
私は知りたい。あの人の全てを。
だから俺は
だから私は
告白する!!
「こらー!何してるの光汰!」
「なっ、アリスが来た!」
そうしていつも通り追いかけっこが始まる。
有栖沢雪。彼女は成績優秀、容姿端麗、才色兼備、運動もかなりできる。この人が神かといわれる程の人物だ。
アリスに俺は恋してる。幼馴染であり初恋の人物だ。
「捕まえた、光汰」
また捕まえられた。いつも捕まるのだ。
「まったく、今日は何していたの?」
「別に」
本当はこいつの絵を描いていた。
「雪...」
「えっ...」
「雪って綺麗だよな」
やっべえ、言うとこだった。危ねえ。
「う、うんそうだね」
くそ、俺ってやつは。
アリス、お前は何て綺麗なんだ。お前をずっと見ていたくなる。大好きだ、アリス。いつか伝えるからその時まで待っていてくれ。
「なっ、何見てんの」
アリスの顔が赤くなる。本当可愛いな、アリスは。
「ねえ光汰、私好きな人がいるの」
なっ、アリスに好きな人だと。
「私にとってその人が全てなの」
「アリ、ス。それって」
やっぱクラスの人気者、紅須君かな。
紅須君は頭良くて運動神経良くて顔もいい。
ああ、2人お似合いだよなぁ、本当俺恋は届かないよな。
だから俺は告白する!前々から思っていたことだが。
「あのなアリス!」「あのね光汰!」
被った、見事に被った。
「アリスいいよ」
「ううん、光汰から」
ふむ、確かに紅須君のこと好きって言われたら困るな。
「じゃあ、アリス。好きだ!アリスが他の人に告白する前に伝えたかった」
「なっ、あのね光汰」
やっぱ断られるよなぁ。うん、知ってる。
「私の好きな人、光汰なの。付き合って下さい!」
「えっ、俺でいいの?」
「私は光汰が好きなの」
アリス、ありがとう。俺なんかを選んでくれて。
「大好きだ、アリス」
そう言ったらいきなりアリスがキスしてきた。
「アリ、ス」
アリスの唇。凄く柔らかかった。
「ふふっ、光汰赤くなってる」
「うっせえ、アリスだって」
分かってるよ、俺はアリスが好きだからキスされたら赤くなることくらい。
「これからはずっと一緒だ、雪」
キスのお返しにアリス耳元で囁いた。アリスはまた赤面した。
「からかわないでよ!でも、ずっと一緒」
「ああ、そうだ」
俺らは幸せに笑顔になった。
これからは俺はアリスのナイトとなる。幸せにする。