返事がない、ただの今後の方針決めのようだ…
社員に破産しているやつが二人もいるのか
よッ!
「さぁ、そーと決まったら行くわよ〜、
いーい、あたしの足手まといに
ならないでねッ!」
さっきまで泣きじゃくっていたマリアに
キツく釘を刺される、
感情の起伏が激しくヤツだなぁ、
こりゃ一緒にいなければならない
俺の身にもなってみろッ!
なーんて言ったら何をされるのか
分からないので、
「精々頑張りまーす」
っといつもなら絶対に言わないような
台詞を吐いてみた、すると
「あんたは黙って従ってればいいの〜」
なんだか上機嫌になった気がする
なるほど、こいつの扱い方が分かって
きたぞ、恐らく下手に出るのが、
もっとも合理的かつ彼女のやる気を
出される効率的な手らしい、
毒ずくのは心の中だけにしよ〜、
なんて考えながら俺は話を進める
「だけどもう外は暗くなってきてるな」
会社<ギルド>の窓に目をやると
夕日が傾きかけていた、
あー、一体此処に来てどれくらい経つのか
そもそもこっちとあっちの時間の流れ
つまるところの、地球(此処が地球である
ならば)の自転速度は同じであるのだろうか
今までこんなに夕日を眺めたことが果たし
てあったのだろうか、
なーんて、取って付けたように今更考えて
答えが見つかったところでどうしようも
ないような問いを頭で反復しながら、
いつもと違って、いつもと同じような
夕日を感慨深げに眺めていた
「じゃ、そんな一文無しのゼノンには〜
会社所有の宿舎にご案内〜、部屋は、
マリアちゃんと同室でいいわね〜」
「はー!」
「だって一文無しでしょ〜、
ウチはただで部屋を貸す余裕は
ありませーん」
「でも流石にそれは…」
「そうよ、ナニかあったらどうするの
よ!」
「そうだ!俺がこいつに襲われてから
じゃ遅いんだ!俺はまだ死んでたまるか」
「なんで、あたしがあんたを襲うの
よッ!」
「お前に襲われる前に、お前を
襲ってやるッ!罪悪感なんか微塵も
感じない、そうこれは正当防衛だ‼︎」
「何が正当よ、それじゃただの変態じゃな
いッ!」
軽快なツッコミが入る、ふぅー、いい仕事
するなぁ、なぜこんなにひどい扱いなのか
の理由はぜんぜーん察しがつかないが、
まぁ今日のところはおおめにみてやろう!
ツッコミうまいなこの野郎!
結局交渉の結果、
マリアの部屋の一角でとりあえず今晩
過ごすことになった、
それがなぜトイレなのかは知らないが…