返事がない、ただの綺麗系おねぇ〜さんのようだ…
「最近の若い子たちはいいね〜、
どいつもこいつもイチャついてさ〜!
そんな暇あったら、金稼げよな〜!」
「マスター‼︎」
彼女がそのおねえさんのほうをみて言った。
「あんたが新入りか〜い?
どうだい身体の調子は〜?
あのインターフォン
ああ見えて古くてね〜
大体のやつがこっちに来るまでに
バラバラになっちまいやがるんだが〜
たま〜にあんたみたいなタフガイが
生き残るってんだよ〜
買い換えようにもうちにはそんな金ねぇ〜し〜
買い換えたからといってメンバー増える
わけじゃねぇ〜し〜歴史はあるだけどねぇ〜
歴史じゃメシは食えねぇ〜からな〜
大変なんだよこっちは〜」
っとすごい勢いで話しかけてくる、
イマイチキャラがつかめない、
とりあえずさっき思い出したことで
ずっと気になっていることを聞いてみる
「ここどこですか?」
自分でも呆気ない質問だと思うが
大変重要な質問だ
今自分がいる場所くらい理解しないと
思考ができない
空間認知は重要だ…
「おっといけねぇ〜言い忘れてたぜ〜!
ようこそ、物から人までなんでも運ぶ
物資運搬の専門家、宅配ギルド
“さすらいの吟遊詩人”へ
歓迎するよ!新人く〜ん、
自己紹介がまだだったねぇ〜
申し遅れました〜
この金髪つるぺた美女が〜」
「つるぺたっていうな‼︎」
つるぺたがすごい勢いでまくしたてる
「あたしの名前は北嬢マリア
で、こっちがサバ読みばばあこと」
「そんな失礼な通り名はない‼︎」
マスターだけに風格のあるツッコミだ
「うちのマスターやってる
アッティラ・ルドルフォン」
「俺は、神代 ゼノンです、
よろしくお願いします、
北嬢さん、ルドルフォンさん」
「マリアでいいよ!」
「おねぇ〜さんのことは
アッティラって呼んどくれよ」
こいつ自分のこと
おねぇ〜さんとかいいやがる…
しかも、さっきの質問に全然答えて
貰えてないような気がするが…
とりあえずその場のノリで二人と握手を交わす
生きていく上でノリは金の次に重要だ…
「えっその、ここどこですか?」
前述のように場所は大切だ
忘れているかもしれないのでもう一度問う
「あ〜そうそう
異世界転生者はそうか〜、
毎回説明してるから知ってるものとして
扱っちまうな〜こりゃいかんわ〜
じゃ百聞は一見にしかずっということで〜
眼を閉じて心の中でステータスオープンって
いってごら〜ん」
俺はとりあえず指示どおりに
眼を閉じて、心の中で念じる
「“ステータスオープン‼︎”」
俺の真っ暗だった視界に文字が浮かんでくる
神代ゼノン ♂ 状態異常 普通
所持金 -5000万円
LV1
HP10/10
MP10/10
≪元型<アーキタイプ>≫
トリックスター
≪基本魔法≫
物質天奏魔法
≪固有スキル≫
ガッツ
≪スキル≫
特になし
≪称号≫
金欠高校生(変態)
タフガイ
「なんだこれ?俺れゔぇる1なの?」
俺は目を開けて尋ねる
「それはゼノン、あんたのステータス画面だよ〜」
「ステータス画面?」
「そう、それを見れば大体のいまの状態が
わかるんだよ〜
そしてあんたはこのせかいにうちのバイトとして
きたってわけ〜」
「ふーんって、納得できるかー‼︎
元の世界に俺を戻してくれ!
もちろん帰れるんだろうなぁ!
裏バイトでも、異世界に勝手に転生とか
悪質すぎるわ!」