返事がない、ただの変態のようだ…
「いい訳ないだろ!」
全身に力が入った。
そのままなんとか立ち上がる。
視界はぼやけてよく見えない、
よくわからないが、音が聞こえる…
誰かの声…だろうか
俺はふらつきながら
とりあえず一息つこうと
目の前にあった壁(?)に手を尽く
その瞬間
バシッ‼︎
神代ゼノンは死んでしまった…
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目覚めると俺はベッドの上にいた
ベッドから見て
部屋の右手には本棚があり
左手の窓からは暖かいひざしが射し込んでいる
俺は今自分が置かれている状況を整理する…
たしか、バイトの面接で隣町まで来て、
それから目的地に着いたような着いてないような…
…だめだまったく状況が飲み込めないぞ
これが俗に言う記憶喪失って奴なのか…
そんなことを考えていると…
ガチャ
ドアが開いて、
一人の少女が入って来た。
光沢を放つ金髪に目を奪われる…
瞳は碧く
頬はほのかに紅い
ただ顔立ちが良いというわけではなく
全身から可愛いオーラみたいなのが
全力で出ているのがみえる
何かこの子のためにしなくては、と思わせるような
そんな可愛いさだ…
俺の心臓の鼓動は高まり
一瞬目を合わせるだけでもドギマギする
俺は慌てて目をそらす
彼女は丈の短いチェック柄のスカートを
履いているのが目に入る
と同時に
スカートから覗くその大胆な生脚が横目に映る
決して俺は変態じゃないがその曲線美に息をのむ
彼女はそのまま俺に近づき、
俺のベッドの横で俯いた
二人きりの空間がうまれる
俺の鼓動は二人の距離が縮まったのに
比例するようにさらに激しさを増す。
ドキンッ、ドキンッ、
彼女は依然俺の横で俯いたままだ
少し顔を赤らめている気がする
彼女の最初の言葉に期待が高まる
そんな静寂をどうにか打ち破ろうと
俺が声をかけようとした瞬間、
「せっ、責任とってよね‼︎」
俺は脈絡もなく発せられたその言葉に愕然とする…
さっきまでの緊張状態がいっきにとけて、
全身から汗がでるのが自分でも分かる
冷静でいられない…
このまま黙ってままでもいられないので
とりあえず恐る恐る返事をする…
「せっ責任?」
「とっとぼけないでよっ!触ったでしょ‼︎」
「触ったッ⁉︎なっ何を‼︎」
「だ、だか…ら
あたしの…大切な…トコ…。」
「あっあたしったったっ大切⁉︎」
俺は驚いて答える
彼女が俺に顔をさらに近づけていう
「だ・か・ら、責任とってよね‼︎」
ふと俺は思い出す、ここに来る前のことを…
今置かれている自分の状況を…
記憶喪失は特定の刺激によって
回復することがあるらしいのだけれど
この場合の刺激とはなんだ?
たぶん彼女が言っている大事なトコというのは
俺でいう壁(?)のことなのだろう…
彼女は魅力的だが
俺は彼女のような貧乳には興味はない
まぁそんなことどうでもいいが、
さて、俺はどうやってこの状況を切り抜けるか…
って俺ほとんど拉致られてね?
俺は少し考えてなだめてみることにした。
「まぁ、落ち着けって、話し合おうっ‼︎」
「落ちついてられないわよ!
あんなことされちゃ…」
……気まずい、
というかどう責任を取ればいいんだ!
そうあたふたしていると
ドアの奥から、1人の女性が現れた
真っ黒な髪の毛に
みているだけで引き込まれてしまいそうな
黒い瞳、
身体はムチムチとして
胸は大きく発育している
エプロンのような可愛らしい格好をしているが、
本人からみて右肩に大きな斧をかついでいる
「最近の若い子たちはいいね〜、
どいつもこいつもイチャついてさ〜!
そんな暇あったら、金稼げよな〜!」