返事がない、ただのバイトのようだ…
俺の名前は神代 ゼノン
17歳で高校2年生
そして金欠だ。
金がない。金が足りない。
というか借金がある。
3年前親父が俺と借金を残して
行方不明になった。
母は生まれたときからいない。
兄弟もなく、
俺が1人で家賃2万のボロアパートに
住んでいる。
家賃や生活費
その他諸々はバイトを転々として
何とかやっていけている。
借金は額にして500万円とても一般高校生の支払い
能力で太刀打ちできる額では無い。
そんな俺は現在新しいバイトの面接のための
隣町まで来ている。
高校生なので車をもっているはずもなく、
やむなく電車での移動だ。
金を稼ぐ為に金を使うのは
いささか矛盾している気がするのだが…
時刻は午後11時過ぎ、隣町は住宅街で夜になると
閑散として人影すら見えない。
頰にあたる風が冷たい
そのまま足を止めることなく歩き続ける。
駅から徒歩5分ほどで目的の場所に到着した、
「ここか。」
白い息を吐きながら俺は一人でそう呟いた。
そこは何の変哲もない一軒の民家だ。
玄関から覗く限り、壁は白く庭はきちんと整理され、見る感じお金持ちの家だ。
今回のバイトはインターネットの広告に載っていた高収入バイトだ。
その広告にはこう書いてあった
条件ー
日給10万⁉︎
‼︎高校生大募集‼︎
*何を運ぶのかは当日のお楽しみ*
お楽しみって…
ずいぶんフザけた広告で
運ぶ物も分からず
かなり怪しかったのだが、
そんなことを言っていられない…
状況は切迫している。
借金は月を越すごとに利息で
どんどん膨らんでいる
もちろん抵抗はしているがそれもすずめの涙だ。
ほんと、泣きたいのはこっちの方なのだが…
そんなこんなで受けることにした。
ぶっちゃけ騙されるの覚悟で来た、
しかし、意外と外装は綺麗なので
金銭を巻き上げられるということは
なさそうだと安心する。
俺はそのままかじかんだ指先でインターフォンを
押した。
ピンポーン‼︎
威勢のいい音が閑散とした住宅街に鳴り響く…
返事がない…
というか人の気配すら感じない…
明かりはついているのに…
しばらく待って、一応もう一度押そうと指先に
力を入れようとした瞬間
ピカッ‼︎
まばゆい閃光に視界が包まれた⁉︎