返事がない、ただの辻斬りのようだ…
目の前には大草原と青空が広がっていた
世界はこんなに広いんだ!
改めて感動する
「とりあえず、ここから直進してれば
村に着くから。それとアッティラから
80万借りてきたから、無駄遣いは
禁物よ〜だって、あんたが知らないとこ
ろでちゃんと準備してたんだからッ!」
「ありがとう」
「もっと感謝しなさいッ、フンッ!」
どうやら面倒見はいいほうらしい、助かる
「ところでアッティラはなんか他に言って
なかったか」
「そういえば魔法使用は初めのうちは
気をつけろ〜、MP無くなるぞ〜、
あとのことは任せな〜だって」
「ふーん」
どうやら飛ばしたブラは会社の
ほうに行ったらしい、
まぁマリアの部屋になければ、
会社にある可能性が高いだろう
これで一件落着だ
「あんた、魔法使えたの?」
「あぁ使える、どんな魔法かは
教えてやらないぜ‼︎」
まぁ教えれるほど自分でもよく分かって
いないが、
「ふーん、じゃ一応元型
だけ教えて?」
「そのアーキタイプってなんなんだ?」
「ハー、これだから異界人は…
いいこと、元型って
いうのは簡単に言えば魔法の属性のことで
攻撃系のアニマ、
創造系のアニムス、
回復系のグレートマザー、
状態補助系のオールドワイズ、
便利系のトリックスター、
の5属性に主に分かれているの、
それぞれに得手不得手があるから
他人には元型は教えないわ
もっとも進んで教えるようなコトでも
ないけれど…」
「ふーん」
「で、どうなの?これから戦闘になるかも
しれないし、お互いにできる事を知って
おくってのは、大切なコトじゃなくって」
「確かトリックスターだったかな」
「トリックスター‼︎ププッ!トリック
スターって料理とか洗濯とか日常的な
行動に関する魔法でしょ」
マリアは俺を見てクスクス笑っている
「ってコトは非戦闘員かしらゼノンくん」
くそッ、なんかコケにされている
「そういうお前はどうなんだよ‼︎」
ちょっとムキになって聞き返す
「あら、あたしはもちろんアニマで
バリバリの戦闘役よ!あたしの陰に隠れて
料理でもしてなさいッ」
そう言ってまたクスクス笑っている
抑えろ俺、こいつ俺が怒っても、
またコケにされるだけだ耐えるだ〜
神代ゼノン〜
「そうさせていただきますよ、お姫様」
とりあえず得意のよいしょをしておいた
「あそこよッ!」
マリアが急に声を上げる
「あそこで少し休憩しましょう」
気がつくと前方に集落?が見える
太陽は今真上にある、腹も減ってきた
村は木でできた柵と堀に囲まれていた
看板をみると
ーようこそ、ソルド村へ
と書かれていた、
「ここは昔、シナイ王国とエルドラドで
戦争があったとき戦場になった場所で
一応エルドラドの領地よ、
シナイ王国に侵略の意志がないことが
分かるとさっさと引いちゃったの
エルドラドの政治状況は緊迫しているから
兵は余っていれば北東と南東に当てるわ、
こんなことを知れるのも中伝のおかげ
だけど」
村に入ると人がいた…………当たり前か、
殺風景な大草原ばかり歩いていたせいか
建物や人に感動した、特に右手には
人だかりができていた、そちらへ近づく
「おいおい、さっさとやっちまえよ〜」
「どっちにかける〜?」
「うるせぇ!どんちゃん騒ぎは村の
外でやんな」
「やかましいくそばばぁ〜」
おいおい大丈夫かよ、大衆をおしのけ見ると大衆は二人の人物を囲っていた、
カウボーイハットの格好をし、銃を腰に差し
ている男と、それに特に所作もなく
立っている男がいた、前者は40歳くらいで
後者はパーカーのフードで顔を隠しているのでよく分からない、
「オメェが例の辻斬りか、
てめえ〜によーわぬぇ〜けど、
くたばってもらうぜ〜」
パーカーの男は黙っている
「おい、しゃべれないのかぁ〜?アンッ!」
一触即発のムードだ、大衆はさらにはやし
たてる、
「くそっ」
カウボーイの男が銃に手をかける、
一瞬だった…
男がフードを外すと、黒い閃光がはしった
バタンッ
カウボーイの男が膝から崩れ地面に倒れる
大衆から歓声が上がり、賭けに負けたやつ
が悪態をつき罵ったりして散り散りに
なっていく…
生き残ったフードの男はカウボーイの
死体をあさくっていた、
「チッ、これだけか」
そんな声が聞こえた気がした
「ゼノン、今のみた?」
「あぁ」
「とりあえず、今は関わらないように
しましょう」
「そ、そうだな」
あれは魔法だったのだろうか、
一瞬のうちに命を奪う魔法があるのだろう
か、そう考えてゾッとする
そうして、向き直りその場を後にしようと
したとき、
「おい、そこの二人、止まれ」
そのまま気づかないふりをして歩き出そう
とする、
「そこの二人、聞こえないのか?」
「は、はい?」
返事をしたのはマリアだった、
俺は足がすくんで返事もできない、
思わず再び向き直る、
そこにはやはりパーカー姿の男がいた
すいません、ちょっと放置します