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夏生詩集2

暗い色をした塊

作者: 夏生

きみの背中が震えていた


何があったのか


きみの両手いっぱいに

なった

暗い色をした塊を

私に見せてくれた


きみは私を守りたかった

声を震わせながら

暗い色をした塊を

力いっぱい握りしめた


はじめは

澄んだ色をしていた

やさしい音も聞こえた

ひとつ、ふたつ

色がついていき


その色が嫌だ、と

言ったら

暗い色だけに

なってしまった


きみは暗い色をした塊の

中から私の名前を

えぐり出した


きみは真っ赤になって

怒りの声をあげた


私は怒りに震えるきみの

手から暗い色をした塊を

取り上げ


そっと撫でた

雫がポタリと落ちた

ひと舐めすると

しょっぱい雫


暗い色の味を

きみにも


私はきみの胸に

そっと手を当てた

きみから暗い色を

消すために


きみの頬から

しょっぱい雫が

こぼれ落ちるのを

見た



きみの鼓動が

暗い色から抜け出し

健気に動き出したのを

感じた








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― 新着の感想 ―
[一言] 夏生 さま。 夏生さま、読ませて頂きました。 上手く感想が書けないので、返って失礼に当たるかもしれませんが、私はこの作品(詩)とても好きです。 私はきみの胸に そっと手を当てた …
2014/01/28 10:03 退会済み
管理
[一言] いい詩ですね!こういうの大好きです!
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