おり
「おらおらおら!早く起きろ!仕事だ仕事!」
荒々しい怒声が聞こえる。
ああ。また始まったのか。
「何してる!起きろっつってんだよ!」
どごっ!
怒声の発生源が睡眠中の彼らを蹴る。
「うっ・・・!げほッ、ぐ・・・ぅ」
彼らは起き上がる。
「すいませ・・・ん。その・・・」
「うるせー黙ってろ。メシ抜くぞ。」
「う・・・はい。」
可哀想に。
しかし、怒声の発生源は僕らの命を握っているのだ。
・・・逆らえはしない。
僕以外は。
「・・・やりすぎだと思うんですが。」
小さく呟く。
本当に、聞こえるか聞こえないかぐらいの小声。
「ッ・・・わ・・・分かってるよ・・・」
それで、怒声の発生源に緊張が走る。
「・・・仕事、行かないと怒られますよ。
・・・貴方が。ですけど。」
ちらりと彼の眼を見やる。
「ひィ・・・う、おら行くぞ!早く来い!」
彼は即座に僕から眼を逸らし、逃げるように牢屋から出た。
ここは、死刑囚の収容所だ。
因みに死刑の日取りは所長の機嫌次第だ。
そして、僕がいるのはAクラス-罪の重さ。上からS・A・B・C。-の死刑囚がいる牢屋だ。
でも。
僕は最高クラス。Sクラスの死刑囚だ。
罪状は・・・収容所の事務職員、そして前所長の殺害、殺人罪。器物破損、だっけ。
終身刑を兼ねた死刑。というのか。
だから僕はしぬまでここにいる。
しぬまで。
ずっと。
今のところ、十年が経っている。
今までに殺した人間の数は一年に少なくとも5人。
多くて100人。
その多くは収容所の職員、それと死刑囚。
その所為か、その成果、上の人種の両方から怖がられている。
そして。
僕が殺した人間の中でも少数の人種。
死刑執行人。―通称、“Grim Reaper”
彼らは、常時僕らの命を狙っている。
ならば、やられる数瞬前にこっちがやればいいこと。
それは、常時僕らも彼らの命を狙っているということ。
これは、僕がSクラス死刑囚になる前と変わらない。
何故なら。
僕は元Sクラス死刑囚の死刑執行人だったからだ。
微妙な感じになりました。
何か変です。
すいません。
頑張ります。