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詩集

遠まわしな言い方

作者: ロースト

遠まわしな言い方


トントントン―――

とその長く、きれいな指でとる軽いリズムが好きで、いつもついついその様子を眺めてしまうけど、でもあなたはそんな私には全く気づかないで、CDを聞き続けるの。だから、私はそっと後ろにまわって、イヤホンをとる。そうすると、あなたは怒って。その様子がかわいくて、でも、その事言うと、今度は拗ねちゃって。やっぱし、それもかわいくて、それは言うの我慢して、素直に謝ると、どちらともなく笑い出して…。

それがいつもの私たち。それだけで十分幸せ。この関係で十分。彼女になれなくても、ずっと友達のままでも、いいの。今が幸せだから。この関係が続くことが私の幸せ。他には何もいらない。確かに、あなたが恋しいけど、確かにあなたが愛しいけど、今の関係が一番。恋人未満、友達以上。たとえ、胸が苦しくなって、痛んでも、それでも、この関係がいいの。たとえ、あなたに彼女ができても。たとえ、私の想いが届かなくても。この関係がずっと続けばいいいとおもうの。この関係が続くことは私の幸せだから。だから、彼女にならなくてもいいの。

逆に、言ってしまえば、彼女になんかなりたくないわ。だって、私の願いはこの関係が続くこと。あなたのそばに居られればいいの。それだけ。もし、彼女になったとして、別れたら、あなたのそばに居られないじゃない。そしたら、彼女になんかなりたくないわ。だって、怖いもの。あなたから離れることが怖いわ。考えるだけでも震えちゃう。あなたに捨てられたらって、ずっと思いながら過ごす彼女より、今の位置がいいわ。

だから、―――ごめんなさい。私、あなたに告白されても、付き合えないわ。あ、でも今までどおりにしてね。じゃないと気まずいでしょ。今の関係が崩れるのは嫌なの。じゃ、そういうことで、またね。


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