普通の警察の職務から異なる仕事には残業代と危険手当を!
これが自分の初めてのラノベ作品になります。できるだけパロディーがすぎないように頑張ります!
どうか怒らずに見ててください!そして応援もよろしくお願いします!!
「先輩。俺たち何かしたんですか?」
赤嶺がまるで電車が来る直前で飛び降りようとするやつのような眼をしながら壁の角に身を潜めているのを見て、三船遥人は自分の過去一週間の人生を振り返り、懸命に自分がいま置かれている状況の前触れを探した。
(やべえ、なんも思いつかねえ、俺が何をしたっつうんだ?)
バァン、バァン!とさっきのやつがまた撃ってきた。やつにはあと2発残っているはず、対してこっちは5発、しばらくは大丈夫だろうと思った三船は範囲をきょう一日に絞って再検索してみたところ、ようやくこうなったことの直接的な原因が分かった。
「クソ、あのババァか。」
「何ですか?先輩心当たりあるんですか?先輩のせいですか?」
赤嶺のしつこい質問攻めをまるで聞こえないように、三船は拳銃を握りしめた。
「5秒数えます!その間に銃を置いてください。でないと今度はお面を撃ち落とします!」
えっ、後半のそれ言う必要あるの?という顔をしている赤嶺を見て、あっ、普通はないか。と三船は気づいた。
「5。」
バァン、バァン!またやつが残ってた2発とも撃ってきた。うわぁ弾全部使うアホだ。と思い三船は動くな!と身を乗り出した。
バァン!奴から銃口を向けられた瞬間三船は素早く元の場所に身を潜めた。運よくさっきのは掠りもしなかったみたいだ。
「先輩大丈夫ですか!」
「おう、掠りもしなかったぜ。」
(いや、待てよさっきのは何だったんだ?あいつが持参したやつか?こんな地方まがいなところでどうやってそんなものを手に入れた?ひょっとしてあいつ市外から来たのか?俺を殺るためだけに?)
バァン、バァン!
バァン!と三船が言った通りに弾はちょうどお面につながっている赤みがかった褐色の紐に命中した。お面をかぶったやつの正体がついに明らかになる。どうやら男だ。そしてイケメンみたいだ。
(ちっ!)
三船は心の中で舌打ちをした。
(ん?牙?)
バァン!まだ撃ってこようとするやつの銃を三船は間一髪で撃ち落とした。そしてほぼ無意識にちょうど赤嶺とやつの間に身を乗り出した。
「動くな!地面に両膝をついて、両手を頭の後ろに!赤嶺!ありったけの手錠を持ってこい!」
いや、なんでやねん。と突っ込むことをこらえた赤嶺は自分のミスでいきなり状況が悪化するのを恐れて、いや、たぶんこのつい最近銃撃戦が繰り広げられた危険な場所から離れたい一心ですぐに立ち去った。
「仲間を行かせるのか?」
「ああ。」
「で、牙については聞かないのか?」
「…」
「見えているだろう?聞かないのか?」
(ちっ、普通は見えないのか。だったら赤嶺もこの場においておけばよかった、一人じゃ怖すぎるし。)
「聞かないなら…」
「聞きたいことはたくさんあるがそれはあとだ。」
三船は自分が常備している手錠をを取り出した。
「九月二十三日十七時二十八分銃刀所持法違反、殺人未遂及び職務執行妨害で現行犯逮捕する。」
「俺を逮捕するのか??」
牙の野郎に手錠をかけた瞬間三船はこれまでの人生であまり気に留めなかった生きるとはなんぞかを知った。そして少なからずその満足感が表面に出てしまった。
「うっし。あとは取調室で話を聞いてもらうわ。まあ多分俺目当てだっただろうけど。」
そう思うと三船は少し憂鬱になった。
(これからもこういうやつが俺をめがけてやってくるんだろうな。あいつの助けなしでどこまでやれるか。)
「あいつらにもこんなことが…」
突如床の一部分が光りだした。いきなりの強光に三船は思わず目を閉じて、尻もちをついた。
(星?)
「どうやら本当に人違いだったが、俺はこのまま捕まっていたらまずいことになるから。」
すべてが一瞬の出来事だった。光が消えた時、そこにはすでに誰もなかった。
ガチャ、奥のドアが開いた。さっき手錠を取って来いと追い払った赤嶺が、最初から隠れていた猫耳ミニスカポリスと用事があるとかないとかで出かけたはずの署長と暁と戻ってきた。
「先輩手錠持ってきた、って犯人どうなったんですか?取調室ですか?」
「三船大丈夫だったか?」
「そうですよ。聞いてくださいよ!手錠持って来ようとしたら、所長たちが裏から帰ってきたんですよ。」
「三船さん銃撃戦したって、大丈夫だったの?当たったの?外したの?どうだったの?三船さん?聞いてます?」
「先輩?」
三船は地面に座ったまま、思考停止してしまった。