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ヘル編3

セリオンはプリーユと別れてバイクで駅へと向かった。セリオンは列車でブレスラウに向かうつもりだった。セリオンは駅に着くと、ブレスラウ行きの列車に乗った。セリオンは窓側の席に座った。窓から流れる風景を眺める。窓からはモーダル川を見ることができた。

セリオンはモーダル川を見つめながら、すぐにエスカローネに会えないことを、心の中で謝った。

セリオンはこのまま平和にブレスラウまでたどり着けると思っていた。

だが、そうはいかなかった。突然警報が鳴り響き、アクシデントの発生を告げた。

「何だ? 何が起こった?」

セリオンは警報に耳をかたむけた。

「お客様各位にお知らせします! ただ今、当列車は盗賊団の襲撃を受けております! 繰り返しお知らせを持って、うわああ!?」

「繰り返す必要はねえよ! がっはははは!」

ブツッとアナウンスが途切れた。セリオンは席から立ち上がった。

「盗賊団か。やれやれ、面倒な奴らだ」

セリオンは右手に魔力を集中し、神剣サンダルフォンを抜いた。

セリオンは冷静だった。しかし一般の乗客は違った。乗客たちは盗賊団の襲撃を受けて混乱していた。

平静を失っている。そこに再びアナウンスが入った。

「がはははは! 俺たちはダルフ盗賊団! この列車の支配権は俺たちのもんだ! 死にたくない奴は金目の物を渡しな! 死にたい奴は抵抗してみな! おとなしく金品をよこすんだな!」

アナウンスが一方的に切れた。

「ダルフ盗賊団か。まったく勝手なことを言う。さて、行くか」

セリオンは前の列車に移動した。

「けけけ、ほら早く金目の物をよこしな」

「ククク、まだ死にたくねえだろ? さっさとよこすんだよ」

セリオンは金品を強奪しようとする「鳥人ちょうじん」の姿を見かけた。

前の列車は左右に座席が展開する車両だった。

「おい、やめろ!」

セリオンは叫んだ。

「ああん? 何だてめえは?」

「死にてえのかあ、あんちゃん?」

「親分の言っていたことが聞こえなかったのかあ?」

「やめろと言った」

セリオンは毅然たる態度を取った。

「さっきの放送が聞こえなかったのか? 親分が金目の物を出せって言ってたろ?」

「てめえもよこせよ!」

「おいおい、どうしたよ?」

「おい、見ろよ。ここにとんでもねー勘違い野郎がいてよ」

「ケケケ、バカな奴! 俺たちに勝てると思っていやがる!」

鳥人たちが話をしているあいだに、人間の盗賊も姿を現した。

「どうした? 何か手間取っているのか?」

「クーククク、ここに一人間抜けな正義づらした奴がいるんだよ」

「俺たちにやめろと命令しやがった」

「親分の命令だ。邪魔な奴は殺せとな」

「あいよ、じゃ、この勘違い野郎をぶっ殺すとしますかね」

鳥人たちが剣を抜いた。

「そんなに死にたいらしいな。いいだろう。かかってこい!」

セリオンは片刃の大剣を構えた。鳥の頭に翼、人型の体をした鳥人たちが一斉にセリオンに襲いかかった。

「カカカ、バカな奴め!」

「くたばりやがれ!」

セリオンは剣を振るった。

「ぐはっ!?」

「ぎゃっ!?」

「ぎゃああああ!?」

「げはっ!?」

セリオンの剣で一度に四人の鳥人が斬殺された。

「ぬう、きさま、できるな!」

人間の盗賊が言った。人間の盗賊は二本のナイフを手にすると、セリオンにめがけて突き刺してきた。

セリオンは大剣を横に薙ぎ払って、人間の盗賊を斬った。

「がはあっ!?」

人間の盗賊は倒れた。

セリオンは五人の死体を見渡した。

「ボスはおそらく先頭車両にいる。急いで向かうことにするか」

セリオンは急いで、この車両を後にした。




先頭車両では……

「おい、いったい何をしてやがるんだ!? 時間がかかりすぎているぞ!? このままでは警察にしられちまう!?」

「もうしわけありやせん、親分!」

ダルフ Darf は怒りをあらわにして言った。明らかにダルフは焦っている。いらだってダルフはメイスで左手を打っていた。

「おまえがボスか?」

そこにセリオンが現れた。

「ああん? なんだてめえは?」

「ザコ共は俺が倒した。残っているのはおまえたちだけだ」

「なんだかわからないが、死にたいようですねえ」

男はナイフを取り出した。

「死んでもらいますよ!」

男がセリオンに襲いかかった。セリオンは素早い太刀筋で男を斬った。

「ぐあっ!? つよ、すぎる!」

男はバタリと倒れた。

「………………」

「次はおまえの番だ」

「なるほどな。その剣技、並たいていのものじゃねえ。訓練を積んだ者の技だ。おまえさん、何者だ?

俺はこれでも元軍人だ。シロウトじゃ分からねえことでも気が付くんだぜ?」

「俺はセリオン、テンペルの騎士だ」

「テンペル? あの宗教軍事組織か? ツヴェーデンにあるあの有名な?」

「よく知っているな」

「盗賊のボスは情報を扱えないとやってられないんでな。そうかい、あのテンペルの騎士様か! 道理で強いわけだぜ!」

「おとなしく警察に自首しろ。そうすれば命まで取りはしない」

セリオンはすんだ声で言い切った。

「グハハハハハ! テンペルの名を出せばびびると思ったか!? 逆だ! 俺は戦士だ! 戦うことは生きがいよ! 相手にとって不足はねえ! 殺し合いだぜ!」

ダルフはメイスを窓に叩きつけた。窓が割れ、破片が飛び散った。

「行くぜ?」

ダルフはメイスでセリオンに打ちかかった。セリオンはメイスを剣で受け止めるのは危険と判断し、後方に跳びのいた。ダルフのメイスは空を切った。ダルフは頭にメットをかぶった巨漢だった。

セリオンは短いジャンプをしてダルフに斬りつけた。ダルフはメイスでガードした。

セリオンはなおダルフを大剣で攻撃した。ダルフはセリオンの攻撃を見切って防いだ。

ダルフは反撃した。

「ダッハハハハ! くらいやがれ!」

ダルフはメイスで攻撃した。右から左への一閃。セリオンはしゃがんで回避した。

セリオンは大剣でダルフを突いた。だが、この攻撃もダルフは見切った。

セリオンはダルフを攻撃した。ダルフもセリオンを攻撃した。

二人の武器が交差し、ぶつかり合った。セリオンの大剣とダルフのメイスが火花を散らした。

「ほう、俺の攻撃を受け止めるとはな。なかなかの力があるじゃねえか!」

「はああああああ!」

セリオンは両手に力を込めた。ダルフのメイスをセリオンの大剣が押しのけていく。

「なっ、なんだと!? この俺が力負けするだと!?」

ダルフは驚愕した。

「くっ、くそ!?」

ダルフは後方にしりぞいた。セリオンは左下から右上に大剣で斬り上げた。

ダルフは両手でメイスを持ってガードした。セリオンは上から下へと大剣をダルフに叩きつけた。

ダルフは両手のメイスで防いだ。しかし、セリオンが力で押していく。

「ぐぐぐぐぐ!? くそがっ! なめんじゃねえ!」

ダルフはセリオンを押し戻した。ダルフは上から下へとメイスを打ち付けた。セリオンは大剣でガードした。

「これで終わりだと思うな! 俺様の必殺技を見せてやるぜ!」

ダルフはメイスに魔力を集中した。ダルフのメイスに赤い魔力が集まった。

「くらえ! スタンボム!」

ダルフは赤いメイスでセリオンを攻撃した。セリオンはかわすことができなかったため、とっさに氷結剣を作ってガードした。

「ううっ!?」

セリオンはスタンボムの一撃を受け、車両の後方に吹き飛ばされた。セリオンは車両のドアにぶつかった。ドアにはヒビが入った。

「どうだ! この俺の力を思い知りやがれ!」

セリオンはドアに叩きつけられた。その衝撃から解放されると、床に倒れ込んだ。

「くっ……」

セリオンはゆっくりと立ち上がった。スタンボムの衝撃が体を重くする。セリオンは体勢を整えると、大剣を静かに構えた。

「まだ立ち上がる力が残っているとはな。やるじゃねえか」

セリオンは大剣の刃をダルフに向ける。

「はっ!」

セリオンから凍てつく蒼気がほとばしった。

「なんだそりゃあ!?」

ダルフはその様子を見て驚いた。セリオンはダッシュした。

「くそったれ!」

ダルフはセリオンの大剣をガードしようとした。セリオンは蒼気の刃でダルフを攻撃した。上から下へ大剣を振るう。

「がはっ!? なん、だど!?」

セリオンの大剣はダルフのメイスを一刀両断し、ダルフに斬りつけた。ダルフは両膝を付き、前に倒れ込んだ。セリオンの蒼気の攻撃はダルフに致命傷を与えた。盗賊団のボス・ダルフは死んだ。

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