17 ドリル
拙者と須藤が運んできたのは、大型の電導ドリルだった。
我々がドリルを見て、軍畑の顔が一気に青ざめ、わけのわからぬことを大声で喚き始める。
だがボスはそれを無視すると、軍畑の頭を踏みつけて声を抑えさせ、拙者たちから大型のドリルを受け取り、電源スイッチを押した。
けたたましい振動音が室内に鳴り響き、軍畑は醜く全身をジタバタさせたながら奇声を上げようとする。
しかし押さえつけられているためそれも叶わず、軍畑は地面に顔を押し付けられたまま無様にじたばたともがいた。
ボスはその軍畑の醜態をしばらく眺めていたが、しばらくしてゆっくりとその口を開いた。
「よく聞け、いいからお前には生き残りをかけた罰ゲームをしてもらう。なーに、簡単なゲームさ、少なくとも何の罪もない店長さんの店を潰した罪を刑務所で償うよりは簡単なゲームさ、このゲームに買ったらお前を解放してやろう」
解放。
その言葉を聞き、軍畑の動きが止まる。
顔を踏みつけられているのでその表情はうかがい知れないが、その顔にはきっと安堵と期待が溢れていることだろう。
解放という言葉に安心したのか、汚ならしい音を立て、軍畑は脱糞した。
それを見てボスは口を大きくあけ、盛大に高笑いした。
「俺が説明する前にゲームのルールを把握したのかよ、エスパーみたいだなお前」
ボスは心底愉快そうに笑うと、軍畑に無慈悲な宣告をした。
「喜べ、貴様が挑戦するゲームは、貴様が今ひりだした糞を使ったゲームだ」
長らくお待たせして大変申し訳ありませんでした。これからも頑張ります。