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私の名前、出ました!

名前、出せましたー♪

私の前で繰り広げられた戦闘。

いつもゲーム画面越しに見ていた光景。見慣れた敵。

夢にしては現実的だった。耳を揺らす魔法によって発せられた音、ゲームじゃ1度も映らなかった癒々(ゆゆこ)ちゃんがみんなのために祈る姿。敵が倒されて霧になる度に輝いていく仲間達の武器。

「っれで!最後だあ!」

見慣れたはずのボルくんのスキル・決意の炎。

全力で振るわれた攻撃は周りの空気を暖めて、熱くすら感じる。


「みんな!怪我はない?」

安全が確認できて戦っていた2人が戻ってくる。同時に駆け寄っていく癒々子ちゃん。

っ健気かわいすぎかっ!

「当たり前だろ?俺を甘く見んな」

「ボクも平気だよ♪」

安堵する癒々子ちゃんの笑顔に照れるボルくん、小さい体で精一杯胸を張るミミックん。

だめっ夢が現実感あり過ぎて起きたくないっ!


「それより」

ジッと後ろにいる私を見るボルくんの顔が怖い…。ん?そういえば何か大切なことを忘れている、気が、し、ま、すぅ!?

距離を詰めてくるボルくんより緊急事態!わたっ私ってば竜綺(りゅき)くんに抱えられたままじゃない!

慌てて立ち上がって竜綺くんに頭を下げる。

「ご、ごめんなさい!私、退くのをっ」

「構いません。こんな間近でマモノや戦いを見るのが初めてだったのでしょう?震えている女性を1人にするのは心が痛みます」

立ち上がりながら竜綺くんが私の肩に触れて優しい力で私の上体を起こす。微笑む顔に心臓が爆発しそうなくらい鳴っているのが分かる。

竜綺くんがっ目の前ででででっ!卒倒案件だけどそうも言っていられない。間髪入れずにボルくんが怒鳴ってきたのだ。


「癒々子を守るのが俺達の役目だろう!それを竜綺!敵の間者かもしれない怪しい女を守ってどうする!」

強い怒気が8割竜綺くん、2割が私に向けられる。うう、夢なのに生で起こるボルくん怖いですっ。


ボルくん。

いわゆる初期勢、兼本編でも大活躍する癒々子ちゃんの護人(まもりびと)の1人。

癒々子ちゃんが絡むと周りが見えなくなっちゃう困ったところもある男の子。

イベントなんかで散々他のキャラから癒々子ちゃんのことになると度が過ぎるって言われてたけど、本当に怖い。


「だけど、それなら今頃、竜綺は毒か何かで動けなくされてると思うんだけど?」

ボルくんを後ろに引っ張りながら、ね?と笑うミミックん。

その顔、萌えの神、降臨ですわ。

「ね、お姉さん。お名前は?どうしてここに来たの?」

おお、さすがは第1章のキーキャラ。隙なく聞くことを聞き出すつもりだね。というか、さり気なくフォローしてもらている気がします、はい。

「え、と。私はルキ。うん、ルキです。ここに来たの、は…気が付いたら?」

いやそもそも夢、だし?どう説明してもよかった、かも?


そんなことを考えていると、ミミックんが困ったように呟いた。

「ルキ、夢じゃないよ」

え?

「ボクだから解る。ルキ。ルキも癒々子と同じように喚ばれたんだ。ルキの世界から、この世界に」

すごく真面目なミミックんの顔と声。そして悲しそうに俯いてしまった。

「で、でも私、何の特別なこと…」

真っ白になっていく頭をどうにか働かせて喋ると、ミミックんは瞳に涙をいっぱいに溜めて私を見上げる。ぐっと噛み締められた唇が、見ているだけでも不思議な実感を湧かせた。

「ごめんなさい、ボクっきっとボクがっ!」


あ、それネタバレー!下手するとカミングアウト早過ぎ、じゃなくて私、私…!

「泣かないで!」

ミミックんのことを思い切り抱き締めて、私は受け入れられない現実よりも目の前の現実に対する心に従った。

「私に何ができるのか分からないけど、泣いてほしくないの!」

「ルキーっ」

私にしがみついて泣きじゃくるミミックん。もう本当に、見た目通りの子供らしい感情表現。でも私は1プレイヤーとしてもう、あなたの正体を知ってる。だから、泣かないで。

この際、夢でも現実だっていい。ミミックん、私の推しキャラ2位の、神さま…。

元気な時にまた書きます。

そん時は、タイトルの意味、回収予定です。未定です。

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