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ハーレムを見るモブ

 最近、学校中で血流のごとく止めどなく流れているうわさがある。 曰く学園を代表する美少女達________女神たちが一人の男に夢中らしい。その男の名は伊達正樹


 顔良し 性格よし 成績よし ラブコメ主人公でもやってんのってくらい彼は恵まれているし多くの男子生徒たちに恨まれてもする。 


 だが彼女たちが愛してやまないのは曲がったことが嫌いな実直すぎる性格らしい。


 ナンパされている美少女を助けたり、孤立していたお嬢様とも居場所を作り環境を改善したり、

 一部の人にはとてつもない人気がある、絶対零度の雪女とも学内外で言われている生徒会長にしつこく話しかけ陥落させたりと......


(俺と関わってない時に随分ラブコメ主人公しているんだなぁ......)


 そう思いながら横で楽園を築いている伊達とその愉快な仲間たちを見る。 その中にはちらちらとクラスのお調子者の影も見える...... おこぼれでも頂きたいんだろうか? そんな魂胆見え見えで呆れすら覚える。彼女たちの視線はただ一つ、王道を征く伊達正樹ただ一人、一人で気を引こうと道化を演じているのをみて笑ってしまうのを堪えるのがきつい。


 そして周りが受けてないことに気づいた彼は悪手に走る。ふとピエロと目が合う_____ 


「おい!根暗君!俺たちにジュース買って来いよ!」 


 大方冗談のつもりでいったんだろう。”俺達”っていうのはおそらく伊達ハーレム一行も含まれている。久々に頭にきた。陰でこそこそ言われるのはいいが面と向かってなめた口きかれるとは......


「は?俺達って?お前のほかに誰がいるんだ?見えないお友達でもいるのか?」


 まさか言い返すとは思ってはいなかったのだろう。ハトが豆鉄砲くらったような顔をする。

 周りではそれを聞いてくすくす笑う声。よかったなお前の演技も報われたぞ。


「い いやだな~冗談だよ!あ あははは......」 


 居た堪れなくなった道化は恥ずかしさ隠しにへらへらと笑いながらそそくさと逃げて行った。

 あぁ言う輩はほとぼりが冷めたあたりで接触してきそうだし注意するに越したことはないだろう。


 そんな心配そうな顔で見ないでくれ佐藤王子君、佐藤君なら本当に飲み物を買ってきてしまいそうだ。 同じ部活の友としては俺のほうが心配だぞ...... 


「生真、お前スゲーな......」 


 なにが凄いのかよくわからないが学内一恨まれている小生意気な奴が話しかけてきた。


「な なにが?」 


「いや 言い返したことだよ!あのまんま買いに行きそうだったら俺から何とかいうつもりだっけど......」 


 言い返しただけで褒められる有様に苦笑を禁じられない。


「ほんとそうね、貴方みたいな薄気味悪い根暗君があそこまで言うとは驚きましたわ。煩いハエを追い払って感謝します。」


 何とも偉そうな口調で見下し話すのは同じ学年の有名人 花崎詩織 大企業の社長令嬢で金持ちらしい、 黒髪のロールに少し釣り目できつめな印象を与えるが美人だ。 あぁこれが孤立していたお嬢様か...... むかつくやつだが美人、故にいじめられたりはしなかったのであろう。


「流石にそれはひどいよ~」 


 そう間延びした声でフォローするのは1年2組の聖女 姫川さん。最近は伊達にべったりとしているらしい。よく一緒にいるところを親衛隊に見られている。そこでちょっかいをかければ姫川さんに嫌われること必至なので地の涙を流し見守っているらしい。 こんな根暗までフォローして気遣ってくれる優しさに周囲はうっとりとしていた________佐藤君を除いて......


 佐藤君の悲しそうな表情を気にかけていると、寒波に襲われたような感じがし視線を動かす。

 そこには春日和な空でさえどんよりと曇らせてしまうほどの絶対零度の視線。がやがやしていた教室内も底冷えた気配に静かになる。

 これが氷帝....東条凛 常に無口なキャラらしい...... 早く失せろとでもいいたげな眼をしている。 


 蛇に睨まれた蛙気分を味わってるみたいだ......この視線にコアなファンいるのだから驚きだ。 

 きっとアニメ部の奴らは泣きべそをかいてしまうだろう......  正直ハーレムが鬱陶しいので

 佐藤君の下に避難しようとすると


「生真!一緒に飯食おうぜ!」 


 何とも空気が読めない鈍感系主人公に声をかけられる。笑顔な彼の後ろではおぞましい顔をした

 ドリル女と生徒会長、聖女 姫川さんはにこにこしてはいるが目は笑っていない。 


「あー俺友達に用があるからごめん」 


「まじか~ってお前俺以外にも友達出来たんかよ~今度紹介してくれよな!」


 恐らくお前みたいなラブコメ主人公には合わないであろう。


 へいへいと覇気のない声をかけ、残り少ない昼休み 佐藤君に話しかける。 

 えらく悲しそうな顔が気になってしょうがない、突っ伏している佐藤君の肩を軽くたたき

 声をかける。


「よう そんな悲しそうな顔してどうしたんだ?」 


 顔を上げこちらを見据える彼、どことなく目が死んいるようにも.......

 まさか姫川親衛隊なのか? 姫川さんが作ったとされるお弁当をおいしそうに頬張る伊達を悲しげに見つめる彼、その瞳には嫉妬のの炎が____ 


「な なぁ?」

 まったくしゃべらないので不安になりたまらず声をかけてしまう。俺を一瞥して口を開けた佐藤君 


「こは...姫川さんとは幼馴染なんだ。小さいころには将来結婚しようねーって約束したのに......」


 窓から見える薄暗い空をバックにトホホと遠目で語る佐藤君はどこか年老いて見えた。
















瀬徒と伊達の容姿には差があります。瀬徒が次元を隔絶した絶世の美貌なら、伊達はアイドルには及ばないけどイケメンって程度です。ハーレム紹介回です。

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