主人公と出会うモブ そして_______
半ば姫川小春のお披露目会と化した入学式も終わり 思い思いに指定された教室に行く。
--------1年2組
俺が1年間過ごす教室 中からは先に来ているだろうクラスメートの話声が聞こえる
(どんな奴がいるのだろうか...?)
好奇心と一抹の不安を胸に、意を決して引き戸に手をかける
和気藹々とした話声に水を差すような音とともに視線を浴びる
一様に蔑む 視線が痛いのでそそくさと自分の席に行き 顔を伏せる
それから幾何か経ったとき 体を揺すられる
「....ろ! ..い」
な なんだ?
「起きろ!」
顔を上げると そこそこに容姿が整った男が笑みを浮かべ立っていた。
「おまえ新学期早々寝るとかちゃんと寝てるのか?」
「あぁごめん それで何だ?」
あたりをみても先生が来たわけでもないし HRまで時間もある 一体どんな用事で起こしたんだろう?
「いやさ 隣の席だから挨拶しようともってさ」
こ コイツッ?! それだけのために揺らしてまでおこしてきたのか?!
なんという悪逆非道な奴だ。だがこれは僥倖 最悪友達なしで過ごそうと思っていた俺に光が差す
初めて男友達を作るチャンスだ 頑張ろう
フンスと鼻を鳴らし会話を試みる
「俺は瀬徒生真 大沢中学校からきたんだ。よろしく頼むよ」
極力気味悪がれないように努めて明るく話す。
「ッどこかで聞いた名前だな...... 俺は伊藤正樹 小倉中学からだけど......大沢中学校なんてあったか?」
久々に肝が冷えた。 他県にまで広がってんのか?!俺の名前 変装して大正解じゃないか!
「お おい大丈夫か?」
急に黙りこくった俺に心配そうに声をかける伊藤
「あぁいや大丈夫だ すまない」
直ぐに軌道修正しなければ 入学早々バレるとか洒落にならんぞ
「あぁそういえば伊藤は____」
部活に入るのか聞こうとした途端。引き戸が空き 例の大和撫子 姫川小春が入ってきた
色めき立つ男ども それは伊藤も例に漏れず_______________________
その美貌にだらしなく口を半開きにする様は中々に面白い 如何せん容姿がそこそこ整っているだけはあり それが間抜けさを引き立たせる
そこから花に群がる蝶の様に姫川に群がっていった。
________まるで昔の俺だな
姫川に群がっている男たちを一人一人確認していく
(うーん このクラスの男達の容姿はいまいちだな)
お世辞にも良いとは言えなかった おそらくクラス一の美男は伊達正樹だろう
ちらほらと女子から熱い視線を浴びている。
(あの程度の熱い視線なら可愛いもんだよな)
自分が変装を解けば女子全員から舐めまわすようなねちっこい そんでもってヤらしい視線を浴びるであろうことは想像に難くない。うぬぼれではない 中学の時の実体験だ。
女子たちの容姿はいいのに男子たちの容姿ははっきりしない
やはり有数の進学校ってこともあるのだろうか__________
そんなことを考えてたらいつのまにかHRの時間に差し掛かり
残念そうに自分の席に戻る男たち
「いやぁ~姫川さんと会話しちゃったよ俺~」
とさっきまで俺に間抜けな顔を見せてたイケメンが帰ってきた
「どうだったよ」
「すげーかわいかった 御淑やかでさぁ~」
グヘヘとこれまた間抜け顔に引けを取らない顔をみせてきた。
「生真は行かなくて良かったのか?」
コイツは俺があの群れに行かなかったことに気づいていたのか
驚いた
「あぁ 俺は____」
こんな格好だから夢見ないようにしてんだ という前に若い女の先生が来た
「うおっ 先生も美人だな」
wow これまた姫川に引けを取らない美女がきた
大人の魅力に溢れすぎている スーツの上からでもわかる蠱惑的なボディーラインは男たちの情欲を掻き立てるだろう。 姫川とは違った魅力にあふれた女性だ。
「みなさん 初めまして! 黒羽葵です! 英語を担当してます! 一年間よろしくね!」
はつらつとした声で自己紹介する黒羽先生に対して質問が殺到する
ーーーーーーーーーーー彼氏とかいますか!?
いないよ~笑
ーーーーーーーーーーーどんな人がタイプですか!?
ん~誠実な人かな?
ーーーーーーーーーーー生徒との禁断の恋はッ!?
愛さえあれば大丈夫じゃないかな? あっこれ内緒ね?
人差し指を形のいい唇にあて ウインクをするあざとい先生に赤面する一同
「はいじゃあ 質問はこれくらいかな? どれじゃあ自己紹介はじめよう!」
これからの一年を決めるであろう戦いが唐突に始まろうとしていた__________________
逐一言い回しがくどいかな?