表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/41

賭け事とモブ 

試合前の士気はここ一番であったのだが、試合後の雰囲気はというと......


「いや〜負けちゃったな!」


「まぁ 泥沼だったけどね......」


何とも清々しく、負けたくせしてそこにあるのは哀愁ではない。やりきったという達成感と安心感しか彼らの胸中にはない。


「いや〜恥かかなくてよかったぜ!先生と佐藤の家族くらいしか応援来てくれなかったけど相手のチームよかマシだったよな!」


「相手のチーム誰も応援来てないしな。所詮は予選だけどありゃ可哀想だったわ」


ケラケラ笑いながら語るチームメイトを余所に瀬徒は苦にがしい面持ちだ。というのも__ 





”負けたら先生とデートしてね!”


”はぁ?何言ってんですか?”


試合寸前に唐突に言われた言葉、これから頑張って醜態晒さずに負けようとしてるのに、そんな意を介さずに語る獣。 一瞬、殺意が湧くがそれを抑える。


”どーせ負けるつもりなんでしょ?”


なんだ先生、わかってたのか......


"知ってたのなら尚更そんなこと言わないでくださいよ......"


"え〜? 先生、生真君の頑張ってる姿みたいな〜 それに休みの日いつも電話かけても出てくれないし......学校生活もわたし結構サポート頑張ってるつもりなんだけどなぁ〜 ご褒美欲しいな?”


上目遣いをしながらあざとくいってくる。確かに瀬徒の容姿が露呈しなかったのは先生の尽力も多いだろうが、実はそれは彼女にとって余計なライバルを増やしたくないという9割私欲が入ってるのだが......


”うっ...... それ言われると厳しいですね...... 勝てばいいんですよね?”


色々とお世話になりすぎてる瀬徒は彼女の賭けに泣く泣く乗る。 これをダシにデートの約束されるよりはマシだ。 みんなには悪いが勝たせてもらうぞ__  





「嘘だろ......」


そう独白を漏らし頭を抱える。さながら精根尽き果てた真っ白なジョーのように...... コートを縦横無尽に駆け、シュートも決めたが彼の健闘虚しく予選敗退。 マスクをつけながらの激しい運動のせいで身体的疲労は過去類を見ないほどに...... それほどまでに頑張ったのに報われない。


__いや?頑張ったんだからもしかしたらもしかするかも!  


(仮にもあの人は優しい、姫川さんが聖女ならあの人は聖母だ。きっと頑張りを認め この賭け事も無くしてくれる! )


もはや働いてない脳内で搾り尽くした非現実的結論、この時ばっかりは責めないでやって欲しい。心身共に限界なのだから。


「__おい 瀬徒のやつどれだけ悔しがってんだよ」


「あの落ち込みようは異常だぞ、恥ずかしい思いせず負けれたんだから勝利は贅沢っていうもんだぞ」


側から見れば白死のジョー、頭を抱えぶつぶつと呪詛を吐いている。 半袖短パンという爽やかな格好に似合わないボサボサなカツラとマスクも合間って、丑三つ時に白装束をきて藁人形を打ち付けてそうな不気味さを醸し出している。 それほどまでに落ち込んでいるのだ。


「まぁあいつ一番頑張ってたし点も入れてたよな」


「意外に運動神経超いいってね、勉強も出来るし、話してみるとこれまたいい奴だしで勿体無いよなぁ」


この運動会で印象が上がったのは何よりも救いだった。 何も悪いことばっかじゃない。


佐藤君は家族の所に出向いてるしでやる事はない。 顔でも洗って気分を変えようとした所__ 


「みんなお疲れ様!かっこよかったよ!」


ざわざわとした控え室が水を打ったようにピシャリと静かになる。 かっこよかったをこっち見て言うのをやめて欲しい。 チームメイト全員頰をほのかに染め照れる。


「もうすぐバスケ2回戦目始まるから疲れてる所悪いけど行ってもらえるかな? あと瀬徒君は残ってもらえるかな?」


賭け事についてだろう。無理して頰が緩むのを抑えてる様を見れば情状酌量なんて絶望的だ。


瀬徒以外のメンバーが全員退出し、密室になった空間。独特の緊張感が漂う。 そんな雰囲気の中口を開く。


「負けちゃったね..... でも一番かっこよかったよ!」


「はぁ......ありがとうございます」


正直ずっとこっち見てましたよね?とは言えない。


「むぅぅ、そんなにデートいや?」


「バレたらめんどくさい事になりますよね?」


生徒と先生がデートだなんてバレたら二人ともタダでは済まないだろう。少しずつ上がり始めた印象もおじゃん確定だ。


「え?バレないと思うよ? 」


「バレない? ま まさか......」


変装を解いてデートとかほざくんじゃ__ 


「だってその暑苦しい変装解いてもらうんだから! 言い出しっぺは私だしお金の心配はいらないわよ!」


ふふんと満足気に胸を張る彼女を尻目にため息を付くのであった。










あらすじ変えて見ました。どうですか?って感想欄閉じてるんだった......

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ