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山田

(ふぅー、それにしても暑いな、)




季節は9月、そういえばもうすぐ誕生日か、



俺には妹がいる、まぁ、両親もいるがあまり仲良くは無い、今は絶賛反抗期なので察してくれ。




(で、まぁ、そんなことはいい、として、)




横の席には山田、、男だ。こいつは性格がいい、



とりあえず気が利く、あまり喋るタイプでは無い俺の面倒をよく見てくれる、、



よく見てくれるというか、友達というほど親しい人がクラスにいない俺を可愛そうに思って接してくれるのか、



とりあえず、このクラスで俺が会話するのは主に山田だ。奴はそういう存在で男だ。




(ふぅ、、山田、、エルフ、、うっ、頭が、、)




突然の痛み、俺は回りに気が付かれないように痛む頭を左手で抱える。




(くっ、、こんなところで、また、俺の脳を、蝕む、だ、と、)




目の前の景色がぶれる、いつもの発作だ、



現実と非現実とのクロスオーバー



他人に話せば妄想だの中2病だの言われる事だが、それは違う、



俺の隣にいる山田は、エルフ、森の精霊、魔法を操る不死の種族、



そういうものと存在が重なって、不安定な姿へと変貌しつつあった。




(くっ、やめろ、、それ以上俺の脳みそを掻き回すな!)



俺は右手の親指を強めに噛む、噛んだ親指は白くなり、血がうっすらと滲んだが、指の痛みに比例して頭痛は収まり、存在がブレた山田の姿も元に戻っていく。




(それにしても、これは、、どんどん酷くなるな、)




個人的に始めた遊び、教室内異世界転生、




きっかけは授業が退屈だった事、元々勉強があまり好きではなく、というか、教科書を読んで覚えるだけの勉強ゲームに飽き飽きしてた俺は妄想という果てない海に旅立つのを至福と喜んでいた。



何回、何百回冒険したか、やがて、一人で冒険するのに飽きた頃、俺はクラスメイトをその冒険に連れていく事を思い付く。



隣の山田はエルフ、目の前の佐藤はドワーフ、後ろの木村は盗賊、



そんな風にクラスメイトで冒険者パーティを組んで、ゴブリンの群れる洞窟、山道での盗賊との死闘、訳あっての傭兵稼業、密命を帯びたとあるアイテムの移送任務へと出掛けた。




様々な冒険をした。だが、最近はおかしい、世界がブレる。



頭の痛みと共にクラスメイトがその俺が作り出した異世界と重なる、存在がブレる、



もし、頭の痛みをそのままにしたらどうなるのか?



もしかしたら世界は反転して、あの冒険の世界と入れ替わってしまうのではないだろうか?

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