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95.製品検査

寮の自室に戻るとマルカとベスタがメイドの姿で待っていた。

今日は久しぶりに自室で昼食だ。

イモと干し肉のスープとパン。

それにカブの酢漬け(葉っぱ付き)。

まあ、従者の賄いに近い。

休日は貴族の学生は外出するのが慣例だからな。

皆で食事をする。

「マルカ、何か必要なものはないか?被服は足りているか?」

「いえ、特に有りません。」

「ベスタ、何か必要な物は有るか?」

「いえ、今は十分に在ります。そのうち遠征の為の物資が必要になると思います。」

「よし、必要な物はリストを作って置け…。予備の武器も必要だな…。」

「あ、あの…。」

マルカが何か言いにくそうだ。

「どうした?何か必要な物が有るか?」

「料理の本が図書室に有ったんですが…。エールのレシピが無いんです。」

「うむ、そうか…。帝国の料理だからな。帝国の料理本か…。」

カレーの作り方なら解かるんだが。スパイスが問題だな。

そういえばマルカは生徒手帳持っているのか?

本が借りれるな。

「うん。探してみよう、まあ、見つかるか解からんが…。最悪、頭を下げて店に聞いても…。教えてくれんかも知れんな…。まあ、何度も食べに行けば作り方も解かるかも知れん。」

「はい。」

ベスタがお茶を入れるので収納からクッキーを出し皆で食べる。

サロンで貰った分だ。

サロンで余ったクッキーは従者やメイドで分けるらしい。

イカンな、あまり欲張ると下の者への配分が減る。

ホドホドが重要だ気を付けよう。


食事が終わったが少しメイドたちに手伝ってもらう。

作ったお札の実験だ。

中庭に来てもらった。

なに、そう時間は掛らない。

裏庭に壁を魔法で二つ作る。

一つは目標でもう一つは掩体壕の代わりだ。

ココにロビンが居れば離れて見ていれば良いだけなんだが。

自爆しても安心だからな。

壁に穴を作る。

覗くと40m先の目標の壁が見える。

束から引き千切ったお札を壁に固定して壁の反対側から魔力を通す。

うん、成功した。

ファイヤーボールがソコソコの威力で壁に命中した。

照準も問題無さそうだ。

掩体壕の壁の向こう側には焦げた布切れが有るだけだ。

焦げ目も無い、人体に問題は無いだろう。

魔力変換回路の効率を上げたので少魔力設計なのが自慢だ。

竃に火を付ける程度の魔力だ。たぶんベスタクラスの魔力でも5回は連射できる。

うん?普通の魔法使いが使ったら?遠方操作できねえ?

指向性地雷ゴッコが出来そうだな?

銅の魔法処理針金が有れば同時起爆が出来そう…。

夢が広がるな…。

自分で試す。

両手を伸ばし広げたお札。

中心の穴で目標壁を覗く。

魔力を通すとお札が燃えてファイヤーボールが飛び目標の壁に当たって消える。

問題ない。

「よし、ベスタ!!この攻撃用お札の使い方を説明する。マルカも良く聞くコト。このお札は少ない魔力でファイヤーボールが打てる使い棄てのお札だ。危険な場合が有るので操作法を良く学ぶコト。」

「先ず、動作チェックからだ。束に付いた状態で魔力を通すと四つの回路が光る。全て光れば正常だ。光らない物は切り離すな。危険だ。使用法はこの束から引き千切る、四つ全ての穴が切れないと動作しない。」

「表を目標に向け、中心の穴を目標に捕らえて魔力を通せば発動する。目標までは真直ぐ飛ぶ。障害物が有る場所では使えない。可燃物が多い場所でも同じだ。退路の確保に注意しろ。」

「表には朱印で注意書きがある。表裏を間違えるな、自爆するぞ!!」

「「はい!!」」

ファイヤーボールの構築を数メートル先にしたほうが良かったかな?

しかし、ソレでは懐に飛び込まれるとダメだ、お札から2m先でファイヤーボール構築に改良しよう。建物内から打つと自分が燃えそうだ。

「よし!ベスタやってみろ!!」

「ハイ。」

引き千切ったお札を両手で広げるベスタ。

緊張しているのか動かない。

「あの…、オットー様、魔力を通すってどうするんですか?」

ああ、しまった。

「ベスタ、そのお札に火を起こす魔法を使え。」

「はい!!きゃっ!!」

なんか、かわいい声出したような気がするが。

ファイヤーボールは真直ぐ目標の壁のかなり遠くをすり抜け。寮の外塀に命中した。

石の外塀が焦げている。威力が落ちたが100mぐらい飛んだな。

まあ、一人ぐらいなら丸焦げにできる程度の威力だ。

「照準に気をつけろ。」

「あ、はい。すいません。」

尻餅をついている。くっころ奴隷メイド。

うん、いい足首だ。

「よし、もう一度だ。」

「はい!!」

立ち上がり尻をさするメイド。

お札を引き千切り構える。

うん?明らかにオカシイ。

「おい、ベスタ、お前の効き目はどっちだ?」

「効き目?」

「そうだ、人間には利き手と利き足、利き目も有る。」

「え?えっ?」

珍しく焦る奴隷くっコロ騎兵メイド。

「ああ、先ず指で丸を作れ。目標を両目で見て丸に納めろ。右目と左目を交互に閉じろ。どっちの目が目標の中だ?」

「え。あ?左目です。」

「では左目で穴に目標を合わせろ。」

お札が発動して目標の壁に命中する。

うん、イイ感じだ。

しかし、騎兵で弓やってないのかベスタは?

「ベスタ、弓の時はどうしていた?」

「え?いえ、姿勢フォームが右目に合わせるように成っていました。あの、私はあまり弓の狙撃が上手くなかったのです。」

なるほど、武器に合わせて練習していたらしい。

まあ、訓練で何とか成る物だ。

兵隊として合格程度にはなる。

「なるほど、おめでとう。ベスタ、コレでお前も魔法攻撃ができる。使い道は限定的だが追われた時の迎撃にはうってつけだ。」

「は、はい。」

「よし、マルカ。やってみろ。」

「ハイ!!」

マルカとベスタの練習で全てのお札を消費した。

ベスタは7発連射で息が上がっていた。低級ポーションで復活させても

静止目標なら問題ない。

まあ、当たらなくても足元手前を狙えば火の海だ。


(´・ω・`)

なお、通常のファイヤーボールは飛距離50mで一人が炎に包まれる程度で鉄の盾で防ぐコトが出来ます。

オットー君の作る壁は核融合に耐えられる要に何時も心がけています。

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[気になる点] 中心の穴を目標に捕らえて魔力を 捉えて 
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