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92.敗残兵

(´・ω・`)

いかんな、帝国がある程度の量産工場(職人を揃えた会社)を持っている設定だがこのままでは16世紀ぐらいの科学力になってしまう。

まあ、この世界には暗黒時代は無かったと言う事で…。

「では道具屋へ行こう。まあ、旅の道具は中古でも良いかな?」

「あの、店の倉庫に昔使っていた旅具が在りますので。必要ないです…。後は毛布や着替え、食器とカトラリーだけです。」

そうか…。まあ、雑貨だからエンリケの店で揃うか…。

「ご主人さま。あの…。馬具が…。必要です。」

「バグ?」

くっころ騎士にデバックが要るのか?

「ああ、申し訳ありません。必ず必要なワケでは無いのですが…。鞍が。」

少し考える。

馬車で使うので鞍は必要ない。

しかし軍用の場合は、馬車の馬にも簡易鞍が付いている。

理由は簡単だ。

切り離して斥候や伝令任務に使う為だ。

だが馬車輸送に必要か?

「あ、あの、必ず必要なワケでは無いのですが...。」

何故か言葉を濁すベスタ。

鞍か…。たしか。まともに買うと高いんだ。

だがベスタは物欲しそうな目で俺を見ている。

「まあ、値段と相談だな。娘、馬具を扱っている店は知っているか?」

「ゴミ屋街に有るかもしれません。」

「ゴミや?」

「はい、その、古道具屋街がこの近くに有ります。馬具の中古も有るかも…。」

娘の案内で路地を進む。

店の前には大量のガラクタが山積みしてある。

正直ナニ屋か解からん。

何となく、嘗てのアキハバラのガード下。ジャンク屋を彷彿させる。

いや、どちらかと言うとオオスかもしれない。

「ココは王都の全ての古道具が集まる場所なんです。」

娘を先頭に進む。

胡散臭い町だ。しかし、ピリピリした殺気は無い。

ただ、”素人禁止見て解かる人ノミお客さん”の拒絶に近い店の雰囲気だ。

そうだ、まるで、ジロウ系の店の暖簾を始めてく潜るような緊張感がある。

手始めに暇そうな店番の爺に声をかける。

「店主。馬具はあるか?」

「ああ?バッグ?」

イキナリはずれだ。耳が遠いらしい。

「ああ、ウチは金物系だ。皮ならハス向かいの店が専門だ。しかし。西に行った方が良い店が有るぞい?」

うん、流石爺、良いアドバイスだ。ゲームっぽい。

ハス向かいに行くが、カバン屋がメインだった。

「ああ、ウチは革鞄だね。サイドバックや小物入れは在るケド。鞍は扱ってないねえ?」

「そうか、すまなかった。鞍を扱っているのは知らないか?」

「中古の鞍ねえ。聞いたこと無いねえ。昔、戦争ゴミ屋が西に居たけどソコで何回か見たね。昔の話だからごめんね。」

西に歩くと。軍用カンテラを並べている店が有った。

「あの、このロードランタンは雨でも消えないランタンで。カップでお湯も沸かせるものです。」

ベスタが詳しいので帝国式なんだろう。カンテラとランタンってナニが違うんだ?

「店主。馬具の在庫は有るか?」

ウ○コ座りでやる気のない爺が居る。まるで田舎の深夜のコンビニ前にタムロするヤンキーの様だ。

「在るケド、古いよ。」

「見せてくれ…。」

腰を叩きながら店の奥に向かう爺。

なんかこの町爺率高いな。

「コレなんてどうだい?使えそうなものはコレぐらいしかない。なんか使い方が違うらしいから改造しないと使えないよ。」

三つぐらい出してきた。

かなり古い。コナが吹いている。

「皮の状態が悪いですね…。」

真剣な眼差しで手のひらでサイズを測っているくっころ騎士。

騎兵する気マンマンだ。

まあ、いいか。イザとなったら娘乗せて馬車を棄てて逃げるコトもできる。

「あの、腹帯と胸がいは無いのですか?」

「腹帯?むながい?」

「ここに付くベルトです。」

「ああ、そのベルトね、未だ有ったかな?何本か服のベルトとして売ってしまったんだ…。」

奥に引っ込む爺。

大小ベルトを数本持って来た。

「コレだけしかないね。」

引っ張って強度を確かめるくっころさん。

売り物壊すなよ?

「この鞍使うつもりかね?何か使えないらしいよ?買った人の話だが。馬が嫌がるって。」

帝国とは乗馬方法が違うのか?

「大丈夫です、合わせて使います。この組み合わせならいけます。」

鞍を一個組み立てたくっコロ騎士

奴隷が物欲しそうに商品を見ています。購入しますか? →YES  NO

GUIには出てこないが…。

「親父、いくらだ?」

「金貨3枚だね。」

「高いな。」

「まあ、一応鞍だしねえ。」

”安いです。”奴隷がこっそり呟く。

奴隷がスゴク物欲しそうに商品を見ています。購入しますか? →YES  NO

「このランタンも一個付けてくれるなら買おう。」

「ああ、いいよ。どれでも一個好きなの持ってきな。」

さっくり決まった。値段が無いのか、ボッタくりなのか?

真剣な表情でランタンを見比べる奴隷。

爺に金を渡す。

「まいどあり。」

「ココらでブーツ売ってる場所は無いか?中古の乗馬ブーツだ。」

「ウチに有るよ。帝国軍のヤツだからね、買うヤツ居なくて売れないんだ。あんまり履いて歩かないほうが良いよ。誤解されるから。」

そうだな。

「改造すれば良いと思います。」

「できるのか?」

「ええ、たぶん。」

「親父、サイズの合うヤツが有れば買おう。」

「全部はいて確かめるのかい?沢山あるんだ。」

「あの、”AD25”靴底のサイズがあれば。」

「やれやれ。ちょっとまってな。」

少々時間が掛ったが爺がブーツを四足もって出てきた。

「状態の良さそうな物はココラ辺だね。」

真剣に調べる奴隷騎士。

「このお嬢さんが馬に乗るのかい?」

「ああ、馬には詳しいらしい。」

「あの、店主。こっちのブーツにこの拍車を付け替えてよろしいでしょうか。」

「だそうだ、お客さん。」

「ああ、いくらだ?」

「まあ、いろいろ買ってもらったから。まあ。大銀貨一枚で良いよ。」

「よし、買おう。」

「まいど。」

大銀貨一枚を受け取る爺。

「ああ、お嬢さん。帝国軍の簡易テントとブーツクリーニングキットが有るんだがね…。」

「ええっ。ブラシの毛は残ってますか?テントは防水ポンチョになるものですか?」

「え?ソレは知らないけど、三角形のテントだよ。クリーニングキットはほぼ新品だワックスが悪くなってなければ未だ使える、オマケに水筒も付けよう。」

なんか、この爺、商売うまいな。

このままだと100%帝国騎兵ベスタが出来上がりそうだ。

「おいおい、ソコら辺で止めてくれ。」

「でも!オットー様!防水布で雨具の替わりになるんですよ。」

奴隷がスゴク興奮して商品を見ています。購入しますか? →YES  NO

「はあ、もう銀貨一枚しか出さないぞ…。」

「うーん、それじゃあ売れないねえ。」

「では!!私の!!」

ベスタが自分の財布を出した。

しまった、小遣いをやり過ぎていたか。完全に爺の術中に嵌っている。

空手チョップでベスタを止める。

「痛いですオットー様。」

「オイ店主、あまり俺の配下の者で遊ばないでくれ。」

「ああ、すまんね、物の価値が解かる若いのが来たのでついハシャイでしまったよ。良いよ、のこり全部銀貨一枚で持っていきな。」

「よろしいのですか?店主。」

「ああ、良いよ。お嬢さん、元帝国兵だろ?俺も昔は帝国兵で奴隷になって解放された口なんだ。もう故郷に戻る気も無い…。でも。良いご主人様にめぐり合えたな。幸運なこった。」

「あ、はい。」

かしこまるベスタ。

いや、帝国騎兵。

でも、この爺さん下士官ぐらいだろ?

「お嬢さん、勝って故郷に帰るのも良い人生だが、負けて何処かで居場所を作るのも。まあ、悪く無い人生だよ。せいぜい気張らず頑張ってくれ。生きてれば悪いコトも続かないさ。」

「そうですか?」

「ああ、俺はこの蛮地で家族を持って子供たちが身を立て、連れ合いを無くした。後は死ぬのを待つのみだ。信仰は棄ててしまったが。今から思えば辛いコトもそう悪く無い。」

「はあ?」

『今は解からないだろうが。全身全霊を持って行動してくれ。後悔の無いように。』

いきなり爺が帝国語を喋る。

ベスタが姿勢を正して聞いている。

握りこぶしを胸に置いている。

たぶん、帝国式の敬礼だ。

イロイロ要らん物を買わされた気がしないでも無いが…。

概ね良い買い物であった。




エンリケの店に戻った。

くっコロ騎士は大事そうに鞍を肩に掛けブーツ他、装備を抱えている。

何となく軍人モードだ。大丈夫か?

店で出迎える。イレーネ。

「オットー様、品物が倉庫にあるのですが御手をお貸し願えませんでしょうか?」

「ああ、いい”はい!!私メにお任せ下さい。”ぞ?」

随分と忠義を尽くすくっコロ騎士。

やっぱり何か買い与えるとパラメーターが上がるんだ…。ゲームっぽいな。

「フフフフ…。」

「ハハハハ…。」

凍った笑顔で語り合うイレーネとベスタ。

うん、仲が良さそうだ…。たぶん。

「あの、オットー様今日はありがとうございました。」

頭を下げる娘。

まあ、良いだろう。

この、店は俺が将来領地を持った時、王都で大事な窓口だ。(物資売買的な。)

ソレまで精々働いてもらおう。

しかしこの娘は心配だ。

何処かで演習を企画したほうが良さそうだ。

だが全てが揃った時だがな。

注文していた質の悪いキャンパス生地の反物を受けとり。

娘から立替え分のゼニを受け取る。

「あの。オットー様。包丁の納品を…。痛い!!」

「ああすまん。思わずムカつくデコが有ったので叩いてしまった…。ドレだけ必要なんだ?」

「あの、全部で400セット…(ロックオン)ああ。申し訳ありません!!250セットです!!それ以上はいりません!!」

「うむ、そうか。なるべく早く用意する…。所でイレーネ。絹の布は手に入るか?」

「絹ですか?」

「あの、オットー様、絹は南方の大湖ラアド・ガー湖の向こうしか生産されません。一反金貨40枚と言う話です。」

娘が解説する、南の大湖の向こうの国は王国の長女が嫁に行った同盟国だ、王国最南端、淡水湖の港町”オキノ”から船で行った国だ。

おれ?どっかの貴族の娘を治す為に絹の糸を指定したけど、いったい、いくら掛ったんだんだろう?。

とりあえず、シルク印刷は不可能らしい。

ガリ刷りか、木版画か、瓦版か。

スクロール量産は難しいらしい。

明日は鋼で錬金術だな。

(´・ω・`)次回。番外編。

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― 新着の感想 ―
バリエンテさんの方をまわって再訪しました。ベスタさん、"しあわせ"になって、よかったね、うん(涙)
[一言] この娘…!俺だったら面倒見ないぞとか少々脅すぐらいしてるわw
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