表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/400

89.冒険者ギルド

オットー冒険者ギルドの前に立つ。

ゲームでお馴染みの冒険者ギルドだ。

コレに登録しないと各種公共サービスが受けられない。(しっかり税も取り立てられる。)

と言うか。王国民や領民は普通は生まれた村から出るコトは無い。

自分の身分を証明するのがギルドの役目だ。

領主は税金も取れるし、必要なスキルを持ったもの”プロフェッショナル”を金で呼ぶことができる。

ほら、領民なら安く済むが、プロを育てたり雇うと経費が高いから。

イザと言う時、派遣と請負で済まそうと言う経営者の強い味方だ。(ブラック契約)


冒険者ギルドか、建物の外見はゲームに忠実だ。

荒んだ雰囲気を醸し出している。

何故か西部劇によくある扉のスイングドアだ、看板は剣と女神、お約束すぎる。

この世界でココ以外にスイングドアなんて見たコトが無いぞ?

この中には海千山千の荒くれ者達がヒャッハーしているのだろう。

薄暗い中に入ると木の床が靴の鉄鋲とこすれてゴツゴツと音を立てる。

幾つかある小汚い丸テーブルにカウンター奥でグラスを磨く隻眼の親父の鋭い眼光。

流石ヒャッハー共を束ねるマスターだ。

今の時間はヒャッハー共は仕事中だろう、無人に近い、いや、一人飲んだくれが居た。

用心棒か?

夜はヒャッハーで溢れかえっているのだろう。

カウンターに座りマスターに語りかける。

「冒険者の登録をしたいのだが。」

オヤジはため息を呟く様にアゴでしめした。

「そっちの階段上がって二階だ…。」

店の奥に薄暗い狭い階段がある。

「ああ、すまなかった。」

なるほど。カウンターは二階か…。

ゲームではギルドの受付おねえちゃんだったから。


二階はそれほど荒んだ世界ではなかった。

まあ、木のカウンターの向うにオネエチャンが並んでいるだけだが…。印象が変わるものだ。

きっとオネエチャンに触れると怖いオニーさんが奥からゾロゾロ出てくるんだろうな。

中に客は少ない。客には冒険者に見えないモノも居るのできっと依頼主だろう。

近くのオネエサンに話をする。

「冒険者登録をしたいのだが。」

「はい、ではこの用紙の裏表に記入をして6番窓口で”新規加入”とお伝え下さい。その時紹介状をお持ちの方は添付して提出して下さい。」

用紙を二枚渡された。

「紹介状?」

いかんぞ。そんな物持ってない。

「紹介状の無い方はランク無しからになります。各種サービスに制約が付きます。詳しいコトは6番窓口でどうぞ。」

ランク無しか~。

どうなるんだ?紹介状?親父に書いてもらうか…、いや、領の家に手紙を書いてもスグには届かない。

一ヶ月掛るな。兄上に書いてもらうか?いや、ロビン情報では今、軍は盗賊の遠征に出ている。

王都に兄上が居るかわからん。

下の兄貴は何年も合ってない。

官僚として王宮に居るはずだが連絡を取る手段が無い。

王都には家の屋敷があるハズだが。親父が王宮に登る時だけしか使っていないので留守の者しか居ないはずだ。

とりあえず聞いてから考えよう。

記入カウンターへ向かう。

表は身分と履歴書、裏は特技&技能だった。

表には名前と住所(寮)&出身地、裏には魔法使いとだけ記入して6番窓口へ向かった。

窓口は痩せたメガネの中年男だった。

眼光が鋭い。

コイツやるな…。

「新規加入希望者だ…。ただし、その前に幾つか聴きたいコトがある。」

書類を二人分提出する。

ベスタは出身地も履歴も未記入で”ベスタ””奴隷、メイド、兵士”としか記入していない

「はい、どうぞ。」

書類に目を通す中年。眉間にシワが寄るのを見逃さなかった。

「紹介状が無いのだが。何か不都合なコトはあるか?」

「紹介状は身分の証明と技能を保障するものとして添付していただいてます。学生の方なら生徒手帳の提示で構いません。」

生徒手帳も無い。

「ああ、魔法学園の研究員だ。生徒ではない。」

「そうでしたか。困りました。校長又は教授の推薦状でも良いのですが。ランク無しの場合、指名依頼が受けられません。」

「そうか、困ったな…。うん?例えば依頼主がランク無しを指名した時どうなるのだ?例えば依頼主と冒険者が顔見知りの場合だ。」

「その場合ですと、依頼は受けられますが冒険者が出先でのギルドのサービスが受けられない場合があります。まあ。その場合は依頼主に紹介状を書いてもらえば良いのですか…。」

「なるほど…。この奴隷は俺の資産だが一人だけ冒険者登録はできるか?」

「奴隷の場合は使用者のギルド登録をお勧めしております。奴隷が大金を持つ場合がありますのでトラブルを防ぐ為です。強制ではありませんが…。加入しておいたほうが良いです。」

うーん、俺の身分を証明するモノが無いな…。

「うん、ではこうしよう。この者の推薦状は俺が書く、俺の奴隷だから問題無いだろう。俺の推薦状は後日でも受け取ってもらえるか?」

「はい、ソレは出来ます。大きな町の冒険者ギルドならその場でランクが上げられます。」

「よし、解かった。」

魔法収納から家の便箋セット(家紋透かし入り&リボン付き)を取り出しスラスラと書く、こういうものは定型文なので、マイヤー先生に”何時でも素早く書ける様になりなさい”と口うるさく言われたのだ。

しかし、提出者の目の前で推薦状書くっておかしな話だ。

文面を読んで間違いないコトを確認。

インクが乾くように固定の魔法を掛ける、改変防止にもなる。

紙を丸めてリボンを結ぶ。

結び目に俺専用配合のワックスを魔法で加熱してたらす。

素早く鉄の指輪(俺の印璽)を出してを打つ。

「これがこの者の推薦状だ。まだ、封蝋が熱いから気をつけろ。」

頭痛が痛い感じの受付の男。目の前で書いていたので内容は開けなくても解かるハズだ。

「あ、はい、受け取りました。ハイデッカー公爵家、オットー・フォン・ハイデッカー様(棒)」

ベスタの登録は簡単になった。

公爵家の身分証明書だ。兵士としての年数も保障している。(メイド兼務)

ベスタは剣士の登録で実技の試験に進んだ、模擬戦らしい。

俺は魔法使いの登録だ、ギルドの魔法使いとの面談だが難航した。


「オットー様は魔法使いとのことですがどのレベルですか?」

「メテオストライクが使えます。」

「メテオストライクとは何ですか?」

「魔法です。」

「え?魔法?」

「はい、魔法です。広範囲にダメージを与えます。(バリンジャー・クレーター級)」

「で、そのメテオストライクは冒険者ギルドで働くうえで何のメリットが在るとお考えですか?」

「はい、帝国軍が襲ってきても壊滅できます。」

「いや?当ギルドに襲ってくる輩はいません。」

「!?」

そうか?貴族がいるだr?

「それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね?」

平時の平民どうしならばな。

「でも、帝国軍にも勝てますよ。」

「いや、勝つとかそういう問題ではなくてですね…。」

「敵全員に、半径10Km内のあらゆる生物を炭にし、時速2000Kmに及ぶ衝撃波が半径40Kmまで広がり、半径20Kmまでのすべてを何もない荒野に変えれますよ。」

「ふざけないでください。それに、時速2000Kmってなんですか?だいたい…。」

「時速2000Kmです、マッハ1.6とも言います。マッハと言うのは…。」

「聞いてません。」

そうか、残念だな。

王都全てを灰燼にする大魔法なんだが。

「では、メガ粒子砲の魔法を…。」

「ああ、解かりました。お帰り下さい。」

「ハイでは、魔法使いとして冒険者登録はできるのですか?」

「ええ、登録は出来ます。」

「では後はヨロシク。」

「お帰り下さい。」

部屋を出ると

ベルカが居た。

「ご主人様、随分遅かった様ですが。」

「ああ、話が弾んでしまったのだ。やはり魔法使いと言う者は妙に数字に拘る者が多くて困る。」

「そうですか…。実技の方は問題有りませんでした。と言うか随分とユルイですね。模擬戦で五人抜きできました。」

「まあ、民間の団体だ門戸を広く取っているのだろう。」

その後受付で発行された冒険者プレートを受け取りギルドを出た。

Fから始まるランク分けだがイキナリ、ランクDの冒険者だ。

なお、俺はランクナシのゴミだ。


冒険者ギルドを出ると。

酒場のドキドキチンピラ大運動会。

徒手格闘戦の歓迎式典☆骨ポキもあるよ…。は無かった。

やはり、ランクナシではダメなのか…。

くそ!!お約束なのに!

またフラグの立てるのに失敗した。orz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ