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88.成長

校門を出て店の前まで来た。


「帝国式料理の店だ、そうだ。」

マルカとベスタは眩しそうに店を見上げている。

「そうなんですか?私は帝国料理は初めてです。」

黒髪ロングのエミリー・ストームが不思議そうに見上げている。

「ココはエールと言うモノが美味しい。入るぞ。」

「エール…。ですか?」

店内の四角いテーブルにはもう二、三組お客さんが入っている。

カウンターでエールを掻っ込む男も居る、まるで飲み物だな。

「四人でお願いします。」

頭に大きなスカーフをした女中がでて来て対応する。

前来たときの女中だ。

良かった、奴隷連れて来ても文句言われなかった。

「帝国風ってこんな感じなんですね。」

席に付くと女中がメニューを出す。

カトラリーを並べる。

女中の屈んだ姿勢の谷間を楽しむが、何故か全ての非難の視線が俺に集中する。


「げふんげふん。エミリーこの後何か用事は有るか?」

「いえ、オットー様特にありません。」

「すまないが。マルカを頼む。寮まで送ってくれ途中に何処かに寄っても良い。まあ、学校と寮の往復では気も詰まるだろう。マルカは日没まで休暇だ。」

「はい、解かりました!!」

元気に答えるエミリー。

「まあ、報酬と言っては何だがココの払いは俺に任せろ。」

俺に任せろバリバリバリ~。

「お客様。今日は何にしますか?。」

女中が注文をとる。

真剣にメニューを見るロリ&くっコロ。

「エールという物は初めてなんですが。お勧めはありますか?」

エミリーがたずねる。

「お勧めはランチセットが在ります。A、B、Cセットです。欲張りセットでは小皿に三種類のエールとライス小と帝国パン一つが付きます。」

「俺はA米、Cで頼む。サラダと、ああ、このヴルストも追加で。」

「え?ヴルスト?…。」

「あ、あった。」

「Aのパンとサラダでお願いします。」

エミリーは決まった様子だ。ロリはメニューを凝視したまま”ヴルスト…ヴルスト…。”と呟いている。

くっコロさんも似た様なモノだ。

「ああ、マルカ、ベスタ。何を頼んでも良いぞ。今日は慰労の様なモノだ。」

「「ハイ」」

奴隷達は、欲張りセットとキャベツの酢漬け&ヴルストをそれぞれ注文した。


うん、旨い、Cセットの羊肉のエールはパンのみの選択だったが理由は食べれば解かる。

羊肉の脂には(長い)米は合わない。

脂の獣臭が米の香りと混じると後味に残る。

キャベツの酢漬けで口の中がさわやかになる。

ヴルストは…、まあ、荒引きソーセージっぽいが王国より香草が少なめだ。肉汁も多い。

プレートの上のに一インチ程に輪切りにしてあり、皮の付いた芋フライが添えてある。

エール(カレー)風味のトマトソースがたっぷり掛っている。

なんか完全に酒のツマミだな。

皮が薄いので噛み切れるのが良い。

ソーセージより食べ易い、まあ、時々歯に挟まるが。


「ぐっすえっぐえっぐ…。」

静かに食べていたマルカが泣き始めた、食べるのは止めていない。

つられてベスタも泣き始める。

店の中の視線が俺に集中する。

主人がデブで飯食ってる奴隷女が泣くなんて主人が悪党にしか見えない。

おいおい。俺が奴隷に飯食べさせていない様に思われるだろ?

しかも、俺はモリモリ食っている。

「あ、あの…。何か不手際がございましたか…?」

凄く困惑した表情で女中がテーブルに来た。

「あ、いや、別に。」

「ぐっす。いえ、ありがとうございます、凄くおいしいです。ふぇえ~ん。」

「な、泣くな、また食べに連れて来てやるからな。味わって食べるのだ。泣くと味が解からなくなるぞ。」

「はい、ぐっす…。」

「ああ、騒がして済まない。この子達の故郷の料理に似ていると聞いたので連れて来たのだ。まさかココまでとは。」

「そうでしたか、申し訳ありませんでした。」


女中が下がるが店内の雰囲気が最悪です…。

奴隷達は泣きながら全て平らげた。

食後のお茶でマルカとベスタが落ち着く。

未だ、目が赤いが何とか気持ちの整理はできた様だ。

「帝国料理って美味しいですね。」

エミリーが感想をのべる。

「ああ、そうだな。ナカナカのモノだ。自分で作れないかな?」

「じぶんで…。つくる…。」

マルカが呟く。

「まあ、女ならそのうち料理も覚えなくてはいけない。練習すればエールが作れるようになるだろう。図書室に料理の本は無いかな?レシピを探そう。」

「ハイ!」

笑顔で答えるマルカ。ベスタは微妙な表情だ。

「あの、私は食べる専門なので…。」

「まあ、良いだろう。そのうちの目標だ。」


会計を済ませる。

大銀貨1枚を渡し女中に答える。

「うん、旨かった。釣銭は要らない。迷惑料だ取って置いてくれ。」

かしこまる女中。

こういう場合はケチケチしない事だ。でも、金貨だとやりすぎだよね?(微妙にケチ)

「ああ、家の者がもし一人で食べに来てもお願いするよ。」

「はい、同郷の方なら何時でも歓迎します。」

食堂の前でロリロリと分かれる。

笑いながら歩いていくロリロリ達の後姿を見て思う。

マルカ。大きくなったな。(エロ目)


「ご主人様、どちらへ行くのですか?」

「ふあっ!!ああ、すまんなでは冒険者ギルドへ行こう。」


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