78.手合わせ
さて、
メイドさんずに”近いうちにエールの食べれるお店に連れて行く”約束をさせられたオットーです。
ジャーマンはエールでカレーだぜ!!
ドイツ海軍カレーはエムデンだよ!!(巡洋艦のほう。)
ポテトに加齢すれば全てジャーマン!!
俺も何言っているのか解からない。
ベスタも参加して朝の日課をソツなくこなす。
カールとジョンから模擬戦を申し込まれた。
カールとベスタが模擬戦をしている。
カールが押している。
しかし、木剣の先をベスタが旨く裁いている。
”ウェイ”は使っていないが技量はベスタのほうが上の様子だ。
脳筋ジョンがヤリたくてうずうずしている。
仕方ないのでジョンと模擬戦をする。
あっさりジョンを倒す。
俺の基本が奇襲攻撃なので填まると一瞬で決着が付くのだ。
「オットーお前のやり方は騎士のやり方ではないな。」
「仕方ないだろジョン。獲物が違う。俺は魔法使いだ、騎士には成れない。」
「オットーも武道大会に出るのか?」
そういえばそんなイベント在ったなあ。
ゲームでは主人公と俺が戦うストーリーだった。
まあ、俺が主人公に嫌がらせしてムリヤリ出場させるのだが。
で、公衆の面前で無様に返り討ちに合う。
婚約者にフラれる。
「何時やるんだ?”トーナメント”」
「ああ。半年に一回だから再来月だ。申し込みは予選の前日までだな。軍学校の連中も来る。」
「なるほど…。俺は参加資格は在るのか?」
「教員も参加できるから問題ないだろう?細かいルールは実行委員会から冊子が出ている。購買に置いてあるぞ。申込用紙もな…。」
「なるほど。」
「ここ数年は軍学校の連中が優勝を持って行っている。順位は軍に入る時に評価が付く。」
「カールとジョンは出たのか?」
「ああ、俺達は毎回出場している。予選は抜けられるが大体は二、三回戦で負ける。軍学校のヤツ等にな。」
「そうか…考えておく…。」
「その時はライバルだな。まあ、俺達は最後のトーナメントだ。カールはかなり本気だからな。」
「その様だな。」
模擬戦の決着が付いた様子だ。
カールの負けだな。
まあ、相手は元本職だ。
勝つほうがオカシイ。
悔しそうなカールに声を掛ける。
「カール。いい試合だったな。」
「女に負けた!!」
「カール。まあ、そう言うな。昨日も見てただろ。相手はかなりの腕だぞ。」
「ベスタ。タオルを持ってきてくれ。」
「ハイ、解かりました。」
ベスタの背中を見送りカールに話しかける。
「カール、元帝国騎士と戦ってどうだ?勝てそうか?」
「なんだと!!」
「おいおい、オットー。どういうことだ?」
「言っただろう。戦争捕虜で売られた口だと。ベスタは何も言わないが、恐らく帝国騎兵だ反乱で負けて売られたクチだ。」
「帝国騎兵!!」
「落ち着けカール。そうか。ココだけの話だな。」
「そうだ、腕は落ちてないハズだ。帝国式の剣術の参考にしている。士官クラスの最低があの程度だと思え。」
「このままだと勝てそうに無い!」
「カール。相手は本職だ。そう簡単に勝てない。」
「だが。オットーは倒したぞ!!」
「帝国のクセを見抜いたからな。まあ、鍛練することだ。俺は日課で鍛練するから一緒に模擬戦しようぜ。戦場で死なないために。」
「ああ、解かった。ココはオットーの胸を借りようぜ、カール。」
「しかし!!帝国兵だぞ!!」
「落ち着け。カール。元だ、元。今は俺の奴隷だ。負けて落ちれば俺達も奴隷か死体だ。負けない努力をするのは悪いことじゃない。死なない為には負けて逃げる方法もある。」
「そうだぞ。カール。敵を知るのにこんなに恵まれたコトは無い。俺達は未だ戦っても居ない。」
「そうだな…。悪かったオットー、取り乱して。敵を知れば良いんだな。」
ベスタがタオルを持って戻ってきた。
復活したカールはベスタに通常の態度で臨んでいる。
「お見事でした。従士殿。又手合わせをお願いします。」
頭を下げるカール。いや、なんか。変わったな。
強いと分かれば尊敬するのが脳筋の本能か?




