77.城外乱闘
「すごいな、オットーその魔法教えてくれよ。」
マルコが来た。
「ああ、物理結界魔法だ。熱も水もシャットアウトだ。ただし、全周囲展開したとき時間を考えないと中の人が窒息する。だから面で展開してシールド代りだ。」
「だめじゃん、」
フェルッポがいう。
カールとジョンも来た。
「相変わらず。オットーの魔法は構成が読めないな。」
「そうだな、大技でも細かい構成だ。なぜそんな構成なのか理解できない。」
「ああ。それはな…。うん?アレックスはどこだ?」
マルコが無言で指差す。
広いで訓練場の壁際で、ペアを組んだ女子と何かはなしている。
おお。壁ドンした。女子といい感じだ。
おっと!!別の女子が肩を怒らせてアレックスに向かう!!
アレックス!!きづかない!コレは致命的だ!!!
乱入女子!!イキナリ!アレックスの頬に先制攻撃!!
ヘイトする女子にアレックス成す術がない!!
おっと!!にらみ合う女子にアレックスが仲裁を行なう!!
しかし!!ソレは悪手だ!!女子二人がアレックスに攻撃を集中!!
アレックス!!ダウン!
ダウンしたアレックスを睨み立ち去る女子達!!
アレックス選手!!立ち上がりましたが勝敗はもう付いた後です!!
「”解説”のマルコさん、どう思います?」
「ああ?”KAI”なんだって?。あとから来た女子がメイヤー女子、以前アレックスがコナかけてた生徒。まあ、二股掛けてたので〆られたんだな。」
こちらに向かってくるアレックスに声を掛ける。両頬に赤い手形がついている
「やあ、アレックス。今日も男前だな。」
「オットー。何も言わないでくれ。」
「アレックス。ぼくには声かけた女子の目の前で他の女子に声かける度胸はないよ。」
「マルコ。愛だよ。愛。」
「アレックス。お前のは愛じゃない、下心だ。」
「ジョン。それならキミは女の子に何を与えれるんだい?」
「いや、俺が言ってるのは、八方美人は辞めろということだ。だれか一人に絞れ。」
「そんなの決められないよ。オットーは何人も侍らせてるじゃないか。」
「アレックス、俺の女には愛はない、打算と諦めだけだ。」
「ううっ、カッコイイこと言ったと思ったけど。考えるとけっこうヒドイこと言ってる。」
「フェルッポ、オットーの言うことはそう違わない。”愛だけだ”と言ってると後で大変なコトになるぞ。」
カールが言う。なんか昔あったのか?
「まあ、女に与えるのは安心だけだ。物も金も言葉もその手段しかない。」
「だ、そうだ、アレックス。オットーの言葉を良く考えるんだな。そうすれば女なんて選り取り見取りだぞ。」
ジョンが言う。
「僕はそんな物何も持っていないよ…。」
「なら、女に手を出すなよ。自分の持っている物を与えられるダケの女にしろよ。」
「マルコ…。そんな冷たいコト僕には出来ないよ。」
「ならアレックス、全てを与えられる男になるしかない。好きな女に全てを与えられる男だ。貴族なら度胸と腕っ節で集めろ。」
拳を握ってみせる。
「いや、オットー、それは貴族のやることじゃないぞ?」
皆が呆れる。マルコが抗議した。フェルッポが続く。
「そんな、貴族は物語の中だけだよ。」
「まあ、アレだな。オットーの言うことは乱暴だが、地位と名誉が在れば、金と女は寄って来る。アレックス。出世しろ。女に与えられるものを手に入れろ。」
「ジョンまで…。ううっそうか…。」
しぼむアレックス。
しかし何か思いついたのかスグに復活する。
「よし!!今年卒業して軍に入る!!軍で出世する!!」
「アレックス…。魔法使いは軍で出世しないぞ。」
「大丈夫だよ!!マルコ。少佐までぐらいが一番カッコ良くて女にモテるんだ!!」
「まあ、少佐で引退したら領地か年金か選べるけどさあ…。」(フェルッポ)
「王都で年金暮らしは質素な生活しかできないぞ。」(マルコ)
「変な領地貰うと大変だぞ…。ウチみたいに。」(カール)
「そうだぞ…。町暮らしの女なんて付いて来てくれない様な田舎しか貰えないぞ。」(ジョン)
「そうだぞ。アレックス。女も土地も帝国から分捕れば良いダケだぞ。選り取り見取りだ。」(俺)
「オットー。ソレは無理だ。今でさえ防戦一方だ。」(カール)
「ううっ、オットーなら本当にやりそうで怖い。」(フェルッポ)
「大丈夫だ、カール、帝国兵の死体の山を作ってやる。ソレを堆肥にして大地を豊かにするのだ。」
「ああ、オットー。キミの顔がスゴイ悪い顔になってる。」
「マジかよアレックス。俺は紳士なんだぞ。」
何故か皆首を振る。
おかしいなあ、貴族とは、暴力と権利を持つから成り立つのだ。
ソレに法が加われば王に成る。
さらに倫理が在れば皇帝で信仰が加われば法王だ。
要は勝てば官軍だ。負ければ草生す屍。
太く短く一発ぶち上げよう。
まるでゲームだ。
そのまま寮に戻り夕食前に着替えたら。
メイドさんずが制服をクンカクンカしてました。
恐るべし加齢臭!!




