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オットー・フォン・ハイデッカーはゲーム脳。  作者: 王石 勉
第一章.チュートリアル
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7.孤立する男

屋敷の門を潜るとイキナリ重苦しい空気がのしかかる。

いや、緊張感かもしれない。

営門の従者は整列している。

顔パスだ。

偶に知らない顔の者が居るが流石だな執事長の教育の賜物だ。

停められたことは無い。

屋敷に入るとメイド長が出迎える。

鹿のトモバラとモモを渡す。

「今日の成果だ、夕食に出してくれ。」

「ハイ、解かりました。」

受け取った若いメイドが床に倒れるが気にしない。

湯浴みで汗を流すと夕食の時間になった。

珍しく大食堂での夕食だった。

何か祝い事でも在るのか?

しかし、長机に座るのは俺と親父のみ。

リブステーキになった鹿がメインだ。

「オットーよく捕ってきたな。」

「はい、良い指導猟師が居たので幸運に恵まれました。」

メインの鹿リブを切り分け口に運ぶ親父。

「お前が取って来たのでは無いのか?」

「待ち伏せは猟師頭で発見は私でございます。止めは猟師見習いのタッポです。」

「何だ。残念だったな。」

「はい、チームでの猟果です。皆で肉を分け合いました。帰りに狼が出ましたが撃退しました。」

「狼だと?そうだ、森には狼が出るからお前が大きくなるまで立ち入らせなった。」

「はい、灰色狼です。まあ、大したものではございません。」

「グレイウルフ!!」

驚いて立ち上がる親父。ゆっくり飯は食べようぜ。

「五匹で囲まれましたが四匹を殺傷して一匹は逃げました。」

「そうか、倒したか。」

椅子に座る親父。

「はい、一匹逃げました。残念です。」

「倒した狼はどうした?」

「猟師に預けて在ります。猟師見習いのタッポが一匹を弓の一撃で仕留めました。なかなかの腕です。」

タッポをあげる。まあ、実際動く物に当てるのは難しい。

「そうか、良かったな。」

「ハイ幸運でした。」

黙々と肉を食べる。

親父から自由に森に入る許可を貰った。

その後タッポと共に何度も森に入り肉を獲った。グレイウルフの帽子を装備して。

肉天国やで~。


随分後で知った話だがグレイウルフ数匹で小さい村が一晩で全滅する話は珍しくないらしい。

100人の人間が集まって狼で全滅なんて霊長類のプライドはドコよ?

おかしい、ゲームでのグレイウルフはLv1で出会うと死ぬがLv5なら鼻歌で勝てるモンスターだぞ。

ゲームとはバランスが違うのか?



岩に拳をぶつける。

何度も折れた指の骨をくっ付けるためにサーチして治療を行なう。

これで何とか治癒魔法の形が出来た。

伊佐治の国では生命の神秘すら解き明かしているのに何故か魔法が無い。

DNA治療か…。当に神の御業だな。

ソコまで行かないが骨格の知識や筋肉、心臓&循環、消化器官と体液の知識はすばらしい。

折れてもサーチして粘土をこねる要領で肉を固定し血管と神経の形を作り組織を魔法で治癒するだけだ。

腕が無くなっても生えてくるだろう。


骨が折れて皮膚を突き破っても直元通り!いや、強化されている。

痛いのには熟れた。

「フハハハハハハハ!!」

痛みでドーパミンが出ているのであろう。

高笑いしながら岩を殴る俺を城兵達は震えながら物陰から見ていたのには気が付かなかった。


ある日親父から呼ばれた。

朝の日課もソコソコに親父の執務室へ向かう。

ノックをして返答が在ったので入る。

「おはようございます父上。」

「オットー相変わらずだな。」

「はっ朝の鍛錬にいそしんでました。」

「実は、だな…。」

何か言い難そうな親父、何時もの尊厳ぶりはドコへ行った。

「はっ!!何でしょうか?」

「お前付きのメイドが辞めたいと言ってな。」

「ほう。では替わりを。」

「いや、替わりも居ないのだ。お前の奇行が領内に知れ渡っているので成り手が居ない。」

「ほほう、私めの奇行とは些か興味がありますがどのような?」

「素手で岩を砕くとか。グレイウルフの首をへし折るとかその程度の噂だ。」

「はっはっはっ、そんなウソが広がっているのですか。流石にソコまでは出来ません、近い将来砕いてみせます。」

笑いながら拳を握ってみせる。

親父がコメカミを揉む。

「だから買って来い。」

「はい?」

「紹介状を書いてやる気に入ったメイドを奴隷商から買って来い。」

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― 新着の感想 ―
すげえ恐れられてるけど、頭がおかしくなって体鍛えまくった貴族なんて恐ろしくてしょうがねえんだなあ
これだから素人のメイドはわかっとらんのだよ
[一言] おかしい… タイトルから想像した内容と全く違う… ゲーム脳っていうより世紀末覇者脳って感じがする
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