76.盾と矛
午後の実技にはでる。
まあ、魔法が見れるからな。
そういえば授業出てないから何やるか解からんな。
まあ、後ろで見て構成を見真似すれば良いだろう。
皆が集まる。
始まってないが、皆何時もより真剣な表情だ。
教授が来た。別の教授も伴っている。
なんだ?この緊張感は?
「よし、全員集まっているな?」
「「「ハイ」」」
後ろから声が聞こえた。
振向くと生徒が全員下がっている。
「は?」
俺だけ教授の前に出ている状態だ。
ロビンの姿が見えない。
あ、フェルッポが生徒に隠れてこっちを見ている。
「よし!!では!二人組みを作れ!!」
教授が叫ぶと肩を組み合う男達と女達。反対側にダッシュして円陣を組む生徒達と別れた。
おい!!おれ!ココまでボッチかよ!!
「ロ~ビ~ン~!!」
腹から声を出して呼ぶ。
「一緒に組もうぜ!!」
「イヤです!!死にたくありません!!」
円陣の集団からロビンが走り出した。追いかける。
「大丈夫だ!!死んでも生き返らせるから。たぶん。」
まだ、復活のアイテム取ってないからな。
「本当にやりそうだからイヤです!!アンデッドはイヤです!!」
走りながら叫ぶロビン。
「オラ捕まえた!!」
ロビンを捕まえ肩車で運ぶ。
暴れるが関係ない。
生徒の集まりに合流する。
「これよりシールドの魔法の実技を開始する。二人で別れて攻守を決めウォーター・ボールを打ち合え、”イヤだ~!!死にたくない!!””静かにしろロビン実技中だぞ!!”十分注意しろ、怪我の無い様に。!!」
「ああ、生徒オットーは今回は見学。替わりに実習助手を連れてきた。交代しろ。その荷物を降ろせ。」
「ハイ、了解しました。」
また見学だよ…。
生徒が思い思いにシールドを展開している。
ああ、やっぱり。
空気の壁だな。
でも、3Mpaまで行ってない様子だ。
圧縮が足りてない。
時々、打ち抜かれて倒れたり、水に濡れてたりする生徒が居る。
まあ、基本は水球だから大怪我しないだろう。
今回は魔法禁止とは言われてないので見よう見真似でシールドを試す。
うん、効率悪い。
あ、カールとジョンが飽きて飛んできた水球の魔法構成を解析して消す遊びを始めてる。
面白そうだけど。マジメにやれよ…。
フェルッポがウォーター・ボールの連射を始めてマルコがシールド展開しながら反撃してる。
ウォーター・ボールでウォーター・ボールを打ち落とす簡単な遊びです。
あいつらいつの間に魔力の並列機動覚えたんだ?
俺は複数起動できるけど
アレックスは女子とペアを組んでキャッキャしている。後でケツに蹴り入れてやろう。
強化シールド魔法の自習をしていると教授から呼ばれた。
「では生徒オットー考査を始める。コチラからウォーター・ボールを打つのでシールド魔法を使え。準備が終わったら合図しろ。」
「はっ、では”ATフィールド!!”。」
この魔法はゲームのシールド魔法ではないが。
物理結界魔法と言った方がいい。小さくすると盾になるので使っている。
飛ばすコトもできる。盾で相手をどつくのだ。
熊が吹き飛んだので威力は十分だ。
あの、アニメの様なエフェクト出すのに随分と苦労した。
ATの意味は”オートマチック”だ魔法展開中はこちらに来る移動体に勝手に衝突する。
低速だと反応しない。
ピンポイントバリアに近い。
バリア?なんだったかな?
「準備完了しました。」
「生徒オットーなんだ?その魔法は?」
「え?盾?」
「まあいい行くぞ。」
教授のウォーターボールがATフィールドに当たり水が霧散する。
この盾は着弾衝撃まで吸収してくれるので便利だ。
質量兵器から光学兵器でも平気。でもガスは簡便な。
「よし!!生徒オットー考査は終了だ。あと、そのシールド魔法の詳細をレポート提出しろ。」
「はい、解かりました。」
「では、早いが解散。」




