67.ルール・オブ・ルールズ
商業ギルドに付いた。
娘が預金を行なう。
何か受け付けと話している。
揉めて居るのか?
受付カウンターへ向かう。
「どうした娘?」
「あの。ギルドが借金証文で販売許可証を抵当として取り上げると言ってきて居るんです。」
そうか強硬手段に来たかあのロン毛。
ハゲるまで魔法とナイフでブラッシングしてやるか。
「解かった娘。まず、先に預金しろ。」
「え?でも…。」
「預金するのだ。」
金貨550枚が預金される。
確認した、ヨシ!!
キレちまったよ、屋上に来いよ!!
「おい!!俺はオットー・フォン・ハイデッカーだ!!俺の占有物が侵されている!!責任者をだせ!!さもなくば俺の兵がこの場を制圧する!!」
丹田に魔法を込めて大声で叫ぶ。壁が震えて受付の女が耳を塞いでいる。
はい、もちろんウソです。
でも、ワンマンアーミーで我慢してもらいます。
カウンターの向こうから、刀を抜いた警備兵が数名。出てきたので制圧する。
こいつら弱いな。
「もう一度言う!!俺はオットー・フォン・ハイデッカーだ!!俺の占有物が侵されている!!責任者をだせ!!さもなくば俺がこの兵の骨を折る!!」
力を入れたら折れた。
ああ、ごめん。
音を聞いてカウンターの職員は目を見開いているか、耳を塞いでいる。
「どうした責任者。出てこないならこの兵の骨を1本ずつ折っていく、終わったら職員の骨を折る。」
「お待ち下さい。私が責任者です。」
スゴイ年寄りの爺が出てきたヨボヨボだが眼光が鋭い。
「公証人の証文により。この店の有価証券は全て俺の占有物だ。ソレが犯されようとしている、なぜだ!!」
「ソレは債権者の申し立てのせいです。」
「ほう、それは初耳だな、債権者は誰で申し立てはナンだ?」
「それは…守秘義務につき申し上げられません。」
「なぜだ!?俺の個人資産がドコの誰とも解からん下民に削られるのだ?理由は?」
「それは…。」
「預金を見ろこの爺!!金貨1550だ。さぞソレより大きな借金証文なんだろうな!!貴様の首だけでは住まんぞ!!貴様の親兄弟子供孫まで首の骨を素手で折って吊るしてやる!!」
「いえ、あの!!」
「さあ、だせ!!首か証文か?」
「はん!!いい気味だなボウズ。」
おお、真打登場、面白くなってきた。
赤っ鼻とロン毛だ。
「おお、借金取り殿、お会いするのは来年かと思っておりました。この爺の首を跳ねますのでその後お話を。」
腰の山刃を抜く。
爺の首に迫る山刃をロン毛が剣で止めた。
「おやおや、騎士崩れ。お話は後だと言ったはず。」
「まて、お前は何を考えている。商売の話のハズだ。」
「騎士を経験したのに忘れたのですか?貴族はメンツと領地を守る為に武力を振るうのですよ。剣は商談の内です。」
爺が小便を漏らした様だ。
まあ、実際怖いからな。
「では商売の話をしましょう。元本金貨300枚で今年の利息払いは終わっています。領収書もあります。預金もあります、なぜ販売証明を抵当に?」
「高く売れる先が有るからだ。」
「わかりましたソイツの首を跳ねます。」
「まて!!そんな事が出来るハズが!!」
剣を持ったロン毛が切っ先をコチラに向ける。
「弾けろ!!」
魔力を込める。ロン毛の腕が弾けて肘から先が無くなる。
血と肉、レイピアが床に落ちる。
「うっがああああああ!!!」
「わざわざ貴方のルールにあわせているんです。偶にはコチラのルールでも良いでしょう。」
うーん魔法は偉大だ。まあ、頭を吹き飛ばせば終わりなんだけどな。
痛みで床を転げ回るロン毛。
壁に隠れて覗く赤っ鼻が青っ鼻になっているが気にしない。
ロン毛は他って置いて爺に向き直る。
「さて、責任者。責任を取ってもらいましょう。」
「まて!!こんな事してどうなる!!」
「こんなコト?どれでしょう?貴族に剣を抜いた下民をいなしたダケです。何か問題が?貴方の替わりの人と話をしたほうが速そうですね。」
「まて!!」
「おう!!次の責任者出て来い!!コイツの頭蓋骨を割って記憶を引きずり出してやる!!一緒に見ようや!!」
「おまちください!!」
なんか出てきた。
若い女だ、貴族だな。
「ほう、どちら様でしょうか?この下民が我が資産を簒奪せんとする為、貴族の名誉を持って忠殺する所でございます。何卒御見届けを。」
「私は、その販売権を買おうと言った者です。」
「ほう、ではその首貰い受ける!」
剣をトンボに構える必殺だ!!
「なにを考えておるか!!このお方は!!」
執事っぽい爺さんが前に出てくるがコイツには戦闘力は無い。後ろのメイドの方が強い。
「ああ、良いのです。結果として、この方の資産を横取りしようとした事実は変わりません。」
「ですが!!姫!!」
「諦めます。今回は。」
「ギルド長今回の商談は無しです。」
「はい、解かりました。」
爺が小便漏らしたまま頭を下げる。
そのまま立ち去ろうとする女。
「おい!女!!まだ何か有るだろう?」
身体を大きく見せる。
「ああ、今回のコトは申し訳有りませんでした。」
まるでどうでも良くて忘れた用事を思い出した様な態度の女。
「うん、謝罪を受け入れます。」
やれやれ、こんな話かよ。
ドコの貴族だ。
痛みで暴れるロン毛を踏みつけて。吹き飛んだ腕を一瞬で治す。
ロン毛は恐れ慄き叫びながらギルドを飛び出した。
うるさい奴だな。
結局コレで文句言うヤツは居なくなり”雑貨と生地の店ビゴーニュ”は俺のモノになった。




