番外編:フランク・フォン・ハイデッカー
(´・ω・`)番外編。その1
俺の名前は。フランク・フォン・ハイデッカー。
ハイデッカー公爵長男だ、今は軍務に忙しい。
率直に言うと俺は軍の水に合っている。
正直このまま将軍まで行きたいと思っている。
そんな折。西方で大規模な盗賊団の被害状況が出た。
あまり宜しくない。
早く対処しなければ。
しかし、遠征命令はナカナカでない。
気を揉んでいた、物資の収束と情報収集は内々に進めていた。
命令が起きればスグに対処する。
そして遂に遠征命令が出た。
駐屯地内は蜂の巣をつついた状態だ。兵は手順どうりに動いている。
先発隊はもう出撃した、明後日には本隊の出発だ。
そんな折。市井の商店からの売り込みが有った。
無論そんな者に構っている訳には行かない。
私の所まで話は来ない。
しかし、副長が紹介文の差出人に気が付き私に判断を仰いだ。
手紙を受け取る、差出人の名で昔を思い出した。
あの、ひ弱なオットーからの手紙だ。
俺の記憶ではコロコロして今にも死にそうなか弱いオットーが。
俺が軍学校から家に帰ってきたら。
鬼の教導軍曹でも殴り殺せそうな大男になっていた。
我が隊の兵隊でもあんな体格の大男は居ない。
未だ、若いはずなのに歴戦の兵隊の眼光がある。
しかも魔法使いを目指していると言った。
昔ぼんやりと見ていた変な踊りは、今から思うと確実に人間の急所を狙う拳の動きだ。
恐らくアイツは殺戮の天才だ。
なんでこうなった?
手紙を読み進める。
判断がつかない。
なんでこんなコト考えるんだ?
副長を呼び出し手紙を読ませる。
副長は読み終わるとコメカミを揉んでいる考えている仕草だ。
「どうだろう?副長。コレは使えるのか?」
「恐らく、この手紙の計算どうりだと思います。」
「試すコトはできるのか?」
「ああ、十分できます。しかし、魔法使いは体力が在りません。歩兵の長距離行軍についてこれるとは思えません。」
「そうか、しかし、一個小隊に魔法使い二名で無補給行動40日と言うのは棄てがたいな。馬を使った場合は?」
「馬車と馬を使った長距離輸送では馬車の足に合わせるコトになります。歩く速度とそう変わりません。確かに馬だけに乗せれば水場と草原が続く限り。40日間行動できるでしょう。」
馬に兵を乗せると速い移動ができるが、物資を載せる量は少ない。
人間と言う大きな荷物が有るためだ。
つまり。精々片道二日しか移動できない。
一日走って一日で帰ってくる。
町から町への移動は問題ない。
タダでさえ物資の滞った村々へ数百人規模の男達が駐屯するのだ。
金は支払うが。証文での後払いだ。村人から見ればどちらが山賊か解からないだろう。
もちろん要所には物資が備蓄して有るが。ソコから先は運ぶしかない。それでは遅いのだ。
盗賊共は逃げ足が速い。
追い払えば仕事は終わりだが。
できれば壊滅したい。
速度が勝敗の鍵だ。
「よし!副長、急ぎ適当な魔法使いを選別しろ。補給長。買い上げろ!!」
「「はっ!!」」




